私はトイレに行こうと思い休み時間に華和さんがいる教室の前を通った。

そこクラスだけは他のクラス違ってとても静かで、華和さんが誰かとの会話が廊下まで聞こえたのでちょっとした好奇心で立ち止まって聞いてみる。どうしてそんなにこのクラスは静かなのか気になるしね。


「精市は甘いのと辛いのどっちが好き?」

「…さあ」

「んーじゃあ、酸っぱいのは?」

「…さあ」


答える気ないね誰かさん。

それでもめげずに質問する華和さんはスゴいと思う。それによくあんな静かな教室の中話せるよね。私なら空気を読んで黙るよ。

華和さんに合掌して、この教室から離れようとした。

「オイそこのお前!お前に頼みがあんだ!」

『え、初対面の相手にですか?』

「お前さっきそこから出てきただろぃ!」

『何必死に言ってんですか。いえ、私はそこで合掌していただけです』

「必死になんのは当たり前だろぃ!つーか合掌って何!?……はあ、マジかよ。コイツをあの…そのクラスの華和に…届けてくんねえか?なあ、頼む!」


どんだけ嫌われてるんだ華和さん!こんなに必死な彼をみたら逆に華和さんが哀れに見えるよ!とか言いつつもあたしも華和さんは苦手な部類だから関わりたくない


『…すいません、私も華和さんは苦手なんで』

「…え?」

『はい?』

「えええっ!?断んの!?」

『え…はい』


断ってはいけない理由でもあるのだろうか。にしても彼の赤い髪は風紀委員の頭髪検査で引っかからないのかが気になる。


『私は華和さんには何があっても関わりたくない存在なので…だからごめんなさい、トイレ行ってきます!』

「何でそうなるんだよぃ!仮にも女が初対面の男にトイレ行くなんて発言すんな!」


先に止めたのは赤髪さんではないか!



図々しい男の子


「……」

「どうじゃったかブンちゃん」

「…断られた」

「は?」

「あー!どうしろってんだよコレ!!俺またアイツに会うのヤだ!」

「(アイツが嫌いでもブンちゃんの頼みを断る奴なんておるんか…?)」





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