スプーンなどを並べていたら食堂のドアを壊す勢いでやって来た人がいた。


「あら青学と立海やないの〜」

「飯メシ〜!」

「桃城! 今日もどっちが食うか勝負すっか!」


ああ、あの二人は本当に期待を裏切らないなあ。たしか作っていた側だったはずなのに。


「みょうじの表情を見て丸井と」

「桃が役に立たなかった確率」

「「96%」」

「すまないね手塚、うちの部員が」

「いや、お互い様だ」

「カレーにゃ!」

「英二走り回るな!」

「先輩先輩っどこ座るんスかー?」

『えっと、まだ…』

「野菜はいらんからの」

「仁王くん!」

「…なんか久しぶりだなこうゆうの」

「たまにはいいんじゃないかな?」

「ふふ、たしかに賑やかでいいね」


んー、私はこうゆうのがはじめてだからよく分かんないや。でも、こうやって他校同士仲良いのはちょっぴり憧れた。


『(いいなあ…)』

「どうしたのみょうじさん?」

『他校と仲良くいられるのってなんか良いなあって思ってたんだ』

「先輩の場合は他校と交流ないっスからね」

『そうなんだ。だから少し羨ましい、かも』


友達が多いとその分思い出も沢山出来るから、きっと楽しいんだろうなあ。私の場合は学校内で範囲が狭いからね。


「(この状況で俺らに一目置くのか…やはりみょうじは興味深い)」

「へぇ、そんな考え方する子いるんだね」

「大体は周りに話しに行こうとするからな」

「不二羨ましいんか?」

「素直に答えたら報酬は貰えるのかい?」

「さぁの」


まだ二校が来るというのにごちゃごちゃしている今の状態ははっきり言って、面倒だ。みんな適当に席に着くと思ったから予想外だ。それに、特別仲の良い人がいないので孤独感も少しあった。


『とか言って私が先に座る訳にもいかないしなあ』


他校の女友達も作ろうと思った瞬間だった。


他校のおともだち


「なぁアイツいじけてね?」

「まさか、みょうじに限って…そうみたいだな」

「しゃーねえな、行ってやるk「お腹へったCー!」…ジロくん」





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