『え、依頼?』

「そ、なんかテニスボールとかが古くなってきたから買いなおそうと思ったんだよぃ」

「できれば華和に頼みたいところなんだけどね…」

「信用出来ねーっス」

『…そっか。良いよ、って言いたいところだけど私も何を買えば良いのか分からないんだ』

「それなら安心しろ。付き添いを連れて行く」



うーん、柳くんがそう言ったけど、付き添いを付けるなら華和さんでも別に良いのでは…と一瞬頭によぎったが、口には出さない方が良さそうだ。




「なら俺が行くナリ」

「仁王くん貴方はサボるつもりでしょう」

「なぬっ! どういうつもりだ仁王!!」

「やぎゅーも真田もうるさいぜよ。俺はまだ何も言っちょらん」

「付き添いは幸村が決めているんじゃねーのか?」

「ふふっ、まあね」

「…ピヨッ」



あれれ、いつの間にこんなに集まっていたんだろう。今は昼休みなはずなのに。男子テニス部はよく集まって行動をするのかな。



「みょうじさんは指名とかあるかい?」

『私は誰でも良いですけど…』

「良かった」

『?』



良かったの意味は何か問おうとしたけど、私以外のみんなも同じような表情をしていたので、聞くにも聞けなかった。なんか一人だけ取り残された気分だ。



「(もし他の女たちみたいに指名とかされれば依頼を断るつもりだったけど、みょうじさんがみょうじさんで良かった)じゃあ、1年の浦山でもいいかい?」

『浦山くんね、分かったよ』



じゃあまた、放課後にテニスコートに来るねと言って去っていくみょうじさん。ほんと必要以上に引っ付いてこようとしない珍しい子だ。



「えええなんで浦山なんスか?」

「レギュラーが練習に抜ける訳にもいかないだろう?」

「お前も仁王と同じ思考か赤也!!」

「ち、違うっスよー!」

「俺ついでに菓子も頼んどこーってジャッカルが!」

「俺かよ!!」

「仁王くん何か企んでますか?」

「あ、もちろん練習をサボってみょうじさんたちの尾行とかも無しだから、ね?」

「…プリッ」





立海レギュラーと平凡



「やぎゅーは要らんことしか言わんのぅ」

「仁王くんこそ要らないことしか考えていませんね」


「「……はぁ」」






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