『それじゃあ、全員そろったことだし。そろそろ捕まってもらおうか』


あげは、桂、高杉も銀時ら同様木刀を構える。
それを見た匂坂は後ずさった。しかし周りにはあげはたち万事屋。
身動きの取れなくなった匂坂は、ヤケクソとでも言うようにナイフを突出し、あげはの方へと走った。
おそらく五人の中で唯一の女だからなのだろう。

銀時はそんな匂坂の様子を見てため息を吐くと、静かに彼女の名を呼んだ。


「あげは、」

『うん、わかってるよー。…甘いよね。あたしが女だからって襲ってくるの』


あげはは不敵に笑うと匂坂の持っているナイフを木刀で弾き、その反動で匂坂自身も地面へと叩きつけた。
木刀で殴られた匂坂は気絶したのか動かなくなる。


「依頼完了、だな」


桂は一言そう言うと、ポケットから携帯を取り出した。
匂坂たちを警察へ引き渡すためだ。


『大丈夫かい?少年探偵団たち?』

「うん!またお姉さんに助けてもらっちゃったね!!」

「クソー!俺らだってカッコいいとこ見せたかったのによ!!」

『子供が無茶するモンじゃありませんー』


あげはは部屋の隅にいた子供たちと話す。
どうやら五人とも怪我はないらしい。安心した。


「(クソッ)」

「!」


コナンは先程坂本が気絶させたはずの男が逃げ出そうとしていることに気付く。


「逃がすか!」


そう言うや否や、コナンはベルトからサッカーボールを取出し、キック力増強シューズのスイッチを入れた。
ボールが地面に着く直前。コナンは男目掛けてボールを蹴った。


「ぐあ!」


それは見事男の後頭部に直撃すると、今度こそ男は気を失った。
おお、とあげはたちから感嘆の声が上がる。


「コナン君すごーい!」


歩美がコナンの方に駆け寄る。元太と光彦は、またコナンばかり、と不満そうだ。


『あーあ、辰馬。子供に手柄とられてんじゃん』

「というか。誰かしっかり見張っておかんか」


電話での会話を終えた桂があげはたち四人に注意を促す。


「おかしいのう。しっかり気絶させたと思うたのに…」

「てめぇは甘ェんだよ、坂本ォ」

「ま、いいんじゃね。結果的には逃げられなかったんだし」


銀時は、糖分補給してー…、と呟くと部屋から出て行った。それに続き高杉、坂本が出て行く。


「あげは、子供たちをしっかり家まで送ってやれ」

『アンタが行けばいいじゃん』

「俺たちはこやつらを真選組に引き渡さねばならんからな」


真選組が来んのか、とあげははぼやく。
あそこの副長とは昔っから馬が合わないのだ。だったら子供たちを送って行った方がマシか。
そう考えて、あげははコナンたちの方を見た。


『じゃ、行こうか』


子供たちはあげはに素直に従って、前を行く彼女を追いかける。
一方。


「あの人たち、大丈夫なの……?」

「わかんねー…。悪い人たちじゃないと思うんだけどな」


灰原の問いかけにコナンは曖昧に答える。
今日の様子ではそんなに嫌な感じはしなかった。ただ、


「普通じゃねーよな…」


あの身体能力も、行動の仕方も。とても普通の高校生とは思えない。
まるで戦いに慣れているような…。そんな彼女たち。


「コナン君、哀ちゃん。早く来ないと置いてっちゃうよー」

「、ああ。今行くよ」


歩美の声にコナンは応えると、二人は先に行ってしまったあげはと子供たちの後を追った。




そうして世界に邪魔される
(まだ謎は解かれない)


−−−−−−−−−−−−−
また書いちゃいました銀魂×探偵!
少年探偵団は動かしやすいですね。
なんかふと思いついたんで一気に書いちゃいました。

コナンから見たらあげはたち万事屋は不思議な存在です。
嫌な感じはしないけど正体がつかめない、みたいな。
そんな感じが好きです。

ちなみにあげはたちは依頼をこなすとき、おそろいで色違いののパーカー着てるとか。
そんな俺得な裏設定があったりなかったり。


title:空を飛ぶ5つの方法




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