突然かけられた声にあげはは勢いよく振り返る。なんだか人の声を聴くのが久しぶりに感じた。
ちょっと感動だわ、コレ。

振り返った先にいたのは自分と同じくらいの背丈(自分自身が縮んでいるのでだいたい160くらいだろうか)の男と、眼鏡をかけた女。
男は訝しげに、女は好奇心に満ちた顔で、それぞれがあげはを見ていた。


「てめぇ、ここでな…「ねえ、その巨人は君が倒したの!?」………」


小柄な男、リヴァイの言葉を遮って、興奮気味に言葉を発したのはハンジだ。
リヴァイは遮った彼女を睨むが、ハンジはたいして気にもしてないようであげはの方へと近づく。


『え、まあ、そうだけど…』


あげははそう答えながらも、一歩一歩と近づいて来るハンジから遠ざかる。

彼女はなぜそんなことを聞いてくるのだろう。
もしかしてこの巨人は殺しちゃいけなかったとか。まさかの天然記念物とか。いや、でもコレ正当防衛だし。

そんなあげはの思いもつゆ知らず。ハンジはますます興味を持ったようにあげはに問いかける。


「やっぱり!でも君は兵団の者じゃないよね?どうやって巨人を倒したの?」

『へ、へいだん……?何それ』

「え?君、知らないの?」

「……ちょっと黙れ、クソメガネ」


リヴァイがハンジを止める。そしてあげはの方を見た。


「てめぇ、どこから来た」

『ど、どこからと言われれば…江戸から?』

「「………」」

『え、何。あたしなんか間違ったこと言った!?』


自分を見て黙ってしまった二人を見て、焦りを覚えるあげは。


「ねえ、リヴァイ。その"エド"って場所知ってる……?」

「………」


無言が肯定を語っていた。

江戸を知らない?いや、きっとこの人たちは田舎に住んでるんだ。だから江戸を知らないんだ。きっとそうだ。
あげはは自分にそう言い聞かし、もう一つ問う。


『じゃあ、天人とかは…?』

「知らねえ」

「私も知らないな」

『……マジでか』


江戸も天人も知らない彼ら。そして自分の知らない場所。
あげはは自分の中で一つの仮説を立てた。


『……もしかして、あたし異世界にトリップしちゃった?…なんて』

「「………」」

『ちょ、黙らないで!何か言って!!300円あげるからァァ!!』


自分の置かれた状況に戸惑い、叫ぶあげはにハンジは励ますように声をかけた。


「えーっと…じゃあさ!ほら、私たちと行こう!ここは危険だし、本部に行けば何かわかるかもしれないし!!ね、リヴァイもいいでしょ!?」

「仕方ねぇ」

「てなわけで、私はハンジ。で、こっちがリヴァイ。君は?」

『紅藤、あげは…』

「アゲハ、ね。それじゃ、行こうか」


そう言って繋いであった馬に乗るハンジ。そしてあげはは彼女の後ろへと乗った。
その横にはリヴァイ。
そのまま馬は森の中を駆けだした。




目の前の真実を受け入れて
(アゲハ、)
(なんですか兵長?)
(てめぇには訓練兵団に入ってもらう)
(……はい?)


−−−−−−−−−−−−−
やってしまいしました!銀魂×進撃!!
最近妹にすすめられて、読み始めたばかりのにわか知識ですが。
とりあえず皆カッコいいですね。リヴァイさんが特に。

登場人物、全然出せませんでした……。
もう少し出したかったけど、まだ口調とか難しいんで。

補足ですがあげはは異世界から来たため、通常種には襲われない。でも奇行種は襲ってくる、とかいう設定があったりなかったり。
ちなみにあげはは本部に向かった後、リヴァイさんの(強制的な)すすめで、途中から訓練兵団に入ります。
そこでエレンやミカサと出会って、一緒に合格して、またリヴァイさんにお世話になります。


title:秋桜-コスモス-




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