赤髪は真剣な顔であたしの方に向き直り話し出した。


「あんたAKUMAって知ってるさ?」
『…は?』


何?何だって?悪魔?


『えーと、ウン。何事も信じるっていいことだとあたしは思うよたとえそれが悪魔とか実在するのかも分からないモノでもねいまだにサンタとか信じてる大人だってきっといるから気に病むことは何もないよ少年。』
「その悪魔じゃないさ!!そしてどこで息継ぎしてんの!?あとその憐れんだ眼はやめるさ!!」


どうやら彼が言う"あくま"とあたしが思う悪魔は違うらしい。
首をかしげるあたしに赤髪は説明をしてくれた。

−−−−…(説明中)


『…ホントにそんなモンが存在してんの?』


AKUMAは人の魂から作られた殺戮兵器で江戸には一番多く存在してるって?


『あたしはそんなの一度も見てない。』
「奴らは人の皮を被り生活してんだ。そんなの当たり前だ。」
『あたしが言ってんのはそうじゃない。』
「…どういう意味だ。」


黒髪が言った言葉をあたしは否定する。人の皮を被ってようが、あたしにはそれが人間じゃないことくらいわかる。

否定したあたしとそれが気に入らないらしい黒髪は睨み合う。それを赤髪が止めた。


「まあまあ、ほら自己紹介でもするさ!俺はラビ、んでこっちの無愛想なのが神田ユウさ!!」
『…うさぎ?』
「何その解釈!!俺はラビさ!!」
『あーハイハイ。ラビに神田ね。あたしは紅藤あげはだよ。』


何かスゲー適当さ…、というラビの言葉を無視してあたしは考える。
ラビが言うには江戸は今鎖国している。そしてそれをいいことにAKUMAがわらわら。
でもあたしが知ってる江戸はそんなんじゃない。

そこであたしは一つの仮説を立てる。あってほしくない最悪な仮説。それを確認する質問はこうだ。


『ねえ、天人って知ってる?』


返って来た言葉にあたしはため息を吐いた。


赤と黒と化け物と

(江戸じゃないならここはどこ?)
(イタリアさ!)
(…え、どこ?)


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