反省会はしっかりと


『まったく…どこの土方さんもうるさいよねぇ。』

「そういえば向こうにもしんせんぐみっているんだったね。」

『いたけど、こっちのがイケメン揃いで断然いいよ。』

「い、いけめん?」

総司はあたしの言った言葉の意味が分からなかったらしく、聞き返してきた。他の人たちも「いけめんってなんだ?」「さあ?」状態だ。

そういえばこっちの世界はカタカナがないんだっけ…。

『かっこいいってことだよ。』

「へー、僕はかっこいいんだ。」

『まあ、一般的に見ればかっこいいと思うけど。』

そう説明すれば総司はなんか嬉しそうだった。何故だ。

「なあ、昨日のことなんだけどよ…。」

突然の左之さんの発言にあたしたちは彼の方を一斉に向き、次の言葉を待つ。

「あげははなんで刀なんか持っちまったんだ?」

『…は?突然どうした、左之さん。』

いきなりすぎてびっくりしたわ。一瞬誰に言ってるのか分かんなかったよ。

「あげはさんすごく強かったですもんね!」

千鶴は昨日のことを思い出しているのか、若干興奮してるみたいだった。

「手合せはしてくれないのか?」

『…一君、まだそんなこと言ってたの?』

もう忘れてるのかと思ってたよ!むしろ忘れててほしかった!!

そんなやり取りをよそに左之さんは至って真面目な顔をしていた。

「あげはは女なんだから、わざわざ手を汚さなくてもいいだろ?」

…左之さんが言ってることはもっともかもしれない。

だけど…

『女だからと守られるのはあいにく好きじゃないんでね。それに、守りたいもんがあったんだよ…。』

…まあ、刀を持った理由はほかにもあるんだけどね。

「「「「……。」」」」

『ちょ、皆なんで黙るの!?あたしなんか恥ずかしいじゃん!!』

「いや、あげはらしいなと思ってな。」

「まあ、あげはちゃんは女っぽくないから刀持ってても違和感ないよね。」

『オイ。』

せっかく左之さんがいいこと言ってくれたのに台無しじゃねーか!!

「ああ、あげはは男らしいからな。」

「そうですね、あげはさんはカッコイイです!!」

『え?一君?千鶴?何言っちゃてんのォォォオオ!?』



(刀を持った本当の理由が先生を取り返すためだったなんて、言えるわけがない。) 


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