生徒相談室。


普段はただの空き部屋と化している場所。


だが今日は違った。


校長の考えで衝立を使ってまで個人面談を行っていた。


正直ここまで何人もの相談(という名のボケ)をさばいてきていて、


個人面談なんて必要ないだろう、と銀八は思いつつも、大人しく相談室で待機していた。


そして、時間的に最後の相談者であろう名前が衝立越しの椅子に座ったのがつい数秒前のこと。







『先生・・・私、最近ずっと悩んでる事があるんです』





名乗らずいきなり本題か。まァ、声ですぐに分かるけどな。





「おー、とりあえず話してみろ」




何となく嫌な予感がするけどな。




『・・・・私、最近何やっても失敗ばっかりで・・・。集中できないんです。・・・・ある人が、気になって・・・・』




ほらきた。・・・なんで教師に恋愛相談にくるかねぇ。しかもお前が。


俺がお前のこと、想ってるのも知らねェで。






「お前はさ、どうしたいわけ?」





『へ・・・・?』





「その、気になるやつに伝えるつもりねェの?」



口先ではこんな事言ってるが、本当は伝えてほしくない。
相手は誰だ?

マヨか?沖田君か?はたまたヅラか?





『・・・・伝えたいです。でも、・・・・振られたら・・・今までの心地いい関係が、壊れちゃうから・・・・』




そんな風に悩めるお前は幸せだな。

こっちはお前に“伝える"なんて選択肢ははなから用意されてねぇのに。






「・・・・・・・・じゃね・・・」





『え?』





だからこれは、






「伝えればいいんじゃね?」






俺の強がりで、






「振られたら、俺が慰めてやるから」






卑怯な言葉。





『先生・・・・』





俺の願いを叶える為の。




「な?だから伝えてこいよ」




そして俺に・・・・。






『・・・・本当に慰めてくれるんですか?』






「・・・・あァ」






『じゃあ・・・・』





名前は椅子から立ち上がった。





『・・・・先生、好きです。付き合ってください。』






鹿

(受け入れても断っても、お前は俺のもの)





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紗羅様相互ありがとうございました!


111206.


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