舞雷は泣いていた。潤んだ瞳から零れる涙が、するりと滑らかな肌を辿って落ちていく。ただの女の泣き顔なのにどうしようもなく興奮するのは、俺がこの女を殺したい程愛しているからだと思う。
ただ、愛していると言うには俺たちに接点は少なすぎた。現にこうして俺を目の前にして舞雷は恐怖している。それは、俺を全く知らないからだ。だがこうして彼女を拉致し、家賃五万程度のアパートの自室に監禁している俺の方も、彼女のほとんどを知らなかった。ああ、いつだったんだ、この女に惚れたの。心を掻っ攫われて眠れなくなった。知りたくなった。欲しくなった。我慢がならなくなってこうなった。始まりはただその辺ですれ違っただけだった気がする。
「…なんか、今にも食われそうな小鹿みてぇに震えてんの…可愛いよな?」
『Shit…俺に犯罪告白してどうすんだ、馬鹿か?電話切んぞ』
「あ、ああ悪ィ…つい、なァ。切ったら写メ送るからよ」
『いらねぇよ!!』
よし、攫おう。と衝動的に攫ってきた舞雷をとりあえず椅子に括りつけ始めた頃から、俺の理性なんて米粒程度に縮んでいた。おかげで鼻息も荒くなるし、興奮しすぎて混乱して政宗に電話しちまうし、と、またいつの間にか縛り付けた舞雷をレンズに入れてるし。あーあ、送信。
「んーっ、んーっ!」
「近くで見るとマジ可愛いよな、アンタ…。泣き顔超そそるぜ、ん?ヨダレ垂れてんぞ、やべェ可愛い」
アパートじゃ叫ばれると隣人が気づいてしまう。いつまでも手の平で口を押さえているわけにいかなくなった頃、轡の代用にタオルを使った。閉じるに閉じられない口の端から紅い舌がチロチロ見えて、ついにヨダレ垂れて、泣いてる所為で鼻水も垂れて…とにかくなんともエロい顔だった。
「んー!!」
「…なァ、あんまり喚いてっとブッ殺すぜ。俺ァアンタを可愛がってるだけなんだからよゥ…」
「んっ、…、っ」
「ん……イイ子じゃねぇの」
可愛くて可愛くて仕方なかった筈が、舞雷が喚き始めたと思うとどす黒いものに代わった。つまり俺はこの女に拒否を示されるのが殺したくなるくらい腹が立つ。拒否したがるのも痛い程わかるんだけど。
睨んだら大人しくなった舞雷はまた泣いて、鼻は詰まってるからタオルの隙間から必死に息をした。恐怖でうまく呼吸できない所にこの轡じゃあ呼吸困難なのも当然だった。素直に喚くのを辞めたのが可愛かったから、頭を撫でてやったついでにタオルをとってやった。溢れていたヨダレが糸を引いて妙に興奮した。
「あ、あぅ……」
「喚くなよ。大声だしたら一発殴る。お利口だもんなァ、俺の言うこと聞けるよな。黙ってイイ子にしてたら、こうして撫でてやっからよゥ」
「ひっ…ぅ…」
「あー、可愛い。」
とにかく椅子に縛り付けて動けなくなって怯えまくって泣きじゃくってる舞雷が可愛すぎる。
心臓が妙に早い。どくどく波打って今にも破裂するんじゃないかってくらいに。恐怖で震える舞雷のように、こっちは興奮で体が震える。たまらなくなってベチャベチャの顔に吸い付いて、涙やら鼻水やらヨダレやらを舐めとった。しょっぱかったが何故か甘い気がする。舞雷の顔は舌触りが最高すぎて舐めるのが楽しい。暫く夢中で舐めまくってたら、舞雷の顔は俺の唾液でぬらぬら光っていた。
「っ……ん?やべっ…」
そんでいつの間にか俺は、てめぇの股間に手をやって夢中で扱いてた。
「まだ胸も性器も見てねぇのによぉ…カンベンしてくれって……」
「あ、あ、ぅ…!」
「出っる…!うっ」
しかも異例の速さで射精…俺は早漏じゃなかったと思うんだが。
そのまま出すと舞雷の下半身、だが服の上にかかるだけだ。それじゃあまりに味気ないと思い、背もたれを引っ掴んで椅子ごと舞雷を倒した。そのまま跨ぐように顔面に射精。白い飛沫でどぷっと汚れた舞雷に興奮していつもより大量に精子が飛び出る。うまいこと下まぶたから口元に綺麗に乗ったんで、泣いて俺の精子出してるみたいで笑ってしまった。


*縛り付ける