「うぶな娘が来たものよ」 「……扱いに困る。貴様、口は上手かったな?」 「これを聞かれていれば口が上手くとも意味はないわ」 「この様子では聞いていないだろう」 「ふむ…」
なんでこんなところにいるんだろう?思い出そうとしても目の前の現実が過去の記憶にチラチラ割入ってきて集中できない。 確か友人に「夜遊びしよう」と誘われ、たまには付き合いも大事だと頷いたら、夕食を外で食べるとか、悪い方で賭博くらいの想像をしていたのにもっと性的な…、最悪の上を行く超最悪な…嗚呼、つまり男娼を前にしているわけで。しかもどうしてか私の前には二人もいるわけで。更にもっと悲惨なのは、この二人の愛想は最低だった。
「そなた、名は」 「ひっ……あ、舞雷…です…」 「そうか。して、舞雷。案ずることはないぞ、そなたのようにうぶな娘も時折来るし、そういう女子には我も石田も優しいものよ」 「…さっきの、聞こえてました…けど……」 「……なら事実を聞きたいと?」 「え、はい……?」 「うぶな娘など来たことはない。我も石田も女は元来乱暴に犯す。そもそもそういう場所だ。それと、我はそなたが処女であろうと扱いを変えるつもりはない」 「…やっぱり聞きたくないです…!」 「手遅れだろう」
なんて連中に捕まってしまったんだ。 扱いに困っていたらしい男も、開き直ったのか同じ方針で行くことに決めたのか。二人は一緒になって腕を伸ばし、固まっていた私を上下から引き延ばした。そして凄まじい早技で着物を崩し、私が恥じらったり拒んだりする間もなく手の届かない所へ放り投げてしまう。
自分は客として来たのだから、やっぱりやめると言えば無事帰れるかもしれない。しかしそれを口にするのも手遅れのように思えた。さっき辛辣な言葉を並べた男が両腕を押さえているし、もう片方の石田という男は私の両足を大胆に広げ、恥部を瞳におさめている。叫ぼうとした瞬間腕を強く握られ、接吻され、息苦しさに思考が麻痺している間に乳房に軽い痛みが走る。男の手の平が食い込んで、更に腹や腰回りを撫でているのが鮮明に判った。
「やっ、やだ……」 「…うぶな女というのも新鮮だな。妙に愛らしく感じる」 「何を間違ってお前のような女が此処へ来たのか知らないが…」 「そっそこは、あぁぅっ!」 「せっかくだ、楽しんで行け」
指が膣に入ってきて痛みで羞恥が消えてしまった。このまま破瓜を失うと思うと恐怖に似た寒気が奔ったし、半狂乱になって逃げ出すことも可能に思った。だが暴れようにも上半身を弄る男は腕を解放してくれないし、膣に指を入れている方の男も、私の蹴りをどうにでも出来る体勢だった。
「まだ男根を舐めさせるのは無理と思うか?」 「勝手にしろ。噛まれると思うがな」 「うーっ、うぅー!」 「ならば我は貴様の後を待つ」 「悲鳴を上げさせるな、毛利。騒ぎになる」 「承知よ」 「んぅぅー!!」
怖かったのだ。
それでも悲鳴や拒絶の言葉は、毛利という男が全て殺してしまっていた。腕は当然捉えたまま、接吻や乳房への刺激で意識をそいだり、いよいよ挿入段階というところでは口内に指を入れて顎を押えられてしまった。
「…私とするのは痛いだろうな。だが、後の毛利の時は多少良くなっている筈だ」 「んぐっ、んぅうー!」
ぐっと熱い塊が入ってくる。痛みに耐える為に歯を食いしばってしまったから、噛まれた指も痛かっただろう。そのまま男の肉棒が出入りするのを早く終わってと願いながら耐えていたら、涎と一緒に零れていた大量の涙は舌で舐めとられた。
「来て後悔はしなかったであろう?舞雷。乱暴にすると言っておいてなんだが、随分優しくしたしな」 「また来い。待っている。次は色々と性技を教えるからな」 「次は舐めさせるぞ」 「むしろ舐めてやる」 「……はぁ…ありがとうございます…?」
結局二人の男に一度ずつ犯されてしまった。 なんとも流され続けていた気がしないでもないが、結果的には…そう、確かに後悔はしていないのかも知れない。
二人は始めよりも随分愛想よく(といっても微々たるにも程があるが)、先に出ていたらしい友人の方へ駆け寄る私に手を振っていた。
「気に入られたみたいだし、また来ようね!」 「…さ、さぁ…どうかな」
*廓に赤花
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