「違うぞ舞雷、普通自ずと察すると思うのだが…私の秀吉様や半兵衛様への好意とお前への好意は天と地ほどの差がある」
「嘘だ〜。そんなこと言って、私を言いくるめようって気なんでしょ!本当はか弱い私より最凶ゴリラな太閤様や咳き込む半兵衛様をあらゆる面で優先するくせに!」
「おい舞雷、今の最凶ゴリラ太閤様というのはなんだ?秀吉様を莫迦にしているのか?」
「馬鹿にしてたらどうするの?やっぱり太閤様より私への愛の方が少ないから、叩くの?」
「いや、」
「ほ〜らやっぱり私より太閤様の方を愛してるんじゃない!」
「…確かに私はいかに舞雷とて秀吉様や半兵衛様を莫迦にする言葉を吐けば仕置きのひとつくらいする…だが、それは決して愛が少ないからではない。何度説明すれば理解する?そもそも秀吉様も半兵衛様も男だ、私も男だ。敬愛であってお前への情愛とは違うというのが何故判らない!」
「も〜!亡くなった人への嫉妬で鬱陶しい女だなって本当のこと言えば!」
「そんなことは思っていない」
「三成こそいちいち嫉妬ばっかりして、男のくせに見苦しいな!」
「だからお前を嫉妬深くて鬱陶しいなどと思っていないと言っている!」
「どっちもスキなんでしょ、三成!どっちもスキなんでしょ!」
「どちらかを嫌いと言わねばならんのか?好きか嫌いの二択でしか差がわからないのか」
「わからない」
「………舞雷、私は嘘はつかん」
「はいはい、スキなんでしょ。どっちもスキなんでしょ」
「だから好きの差を判ってくれればなんの問題もないと!」
「わかんないんだよそれが!」
「さっきから懇切丁寧に説明してやってるだろうが!」
「え?!」
「えじゃない!!」
「…やれ三成、こう言え、こう」
「………舞雷、私は秀吉様と半兵衛様が好きだ。だが…お前のことは、特別に好きだ」
「……ほんと?」
「…さすがだな刑部、舞雷が納得しそうだ」
「感心する前に頷いてやれ」


好き<好き?