優しい青




ヒナタ誕生日
8班のおはなし










一気に冷え込んだ所為でおとといに風邪を引いて昨日治ったところ、今日になって急に舞い込んだ任務に行こうとすれば任務はハードなために今日は休むことになってしまってヒナタは申し訳なさに布団にこもっていた。
普通ならハードな任務だっていけと父から言われるのに今日はなぜか父からも止められた。どうしてと聞けばはぐらかされる。

「ヒナタ、今日は沢山客が来ているぞ」
「え‥?」
「まさか忘れたのか。」

ふとカレンダーを見て自分の誕生日だとペンで書かれていて父親であるヒアシは苦笑いの後優しい笑顔に変わってヒナタの頭をぽんぽんとなでた。

「出てやりなさい」
「はい‥!」

嬉しくなって服を着替えて扉を開ければ目の前が色とりどりの花でいっぱいになった後元気な声が聞こえた。

「誕生日おめでとう!ヒナタ!」

花のかきわけて見えたのはにこっと笑うナルトの顔。

「あ、ああありがとう!ナルトくん!」

そして他にもサクラ、サイ他にもシカマル、チョウジ、いの、リー、テンテンそして兄のネジもいた。それぞれプレゼントを持ってヒナタの家の前に並んでいるのであった。ヒナタは慌てながらも彼らを部屋に上げる。

話を聞けばヒナタに内緒で日向家総出で誕生日祝いの準備をしていたのであった。
広間に行けば豪華な料理が並べられている。
最初は突然のことに驚いて嬉しそうな顔だったのが今少し不安そうな表情になっている。

「あれ、どうしたの?ヒナタ」
「ううん‥私が‥こうしてる間にキバくんとシノくん二人で任務に出ちゃってて‥しかも三人でも大変な任務を二人でって‥申し訳なくて‥もしものことがあったらって‥。」
「大丈夫だって、あいつらのことだ無事に帰ってくるだろ」
「でも‥私も最初は任務に行く予定だったから‥その‥。」
「あーもう!気にしない!大丈夫よ!」

いのにそういわれてわしわしと頭をなでられる。ヒナタは驚いて目をおもいっきり瞑っていのにぎゅっと抱き寄せられながら、用意された席に連れて行かれた。




それから数時間に及ぶ誕生日会が終わった時には真夜中で、皆疲れてその場で寝てしまっていた。
ヒナタは困ったように笑って雑魚寝状態の全員を眺めていれば、ふと扉が開く音がして振り返ると、任務に言っていて大幅に到着時刻が遅れたらしいキバとシノが立っていた。
どうやら相当大変だったらしく二人ともところどころ怪我が見受けられる。治療をした後だろうか、袖からちらりと包帯が見えた。

「あ‥二人とも‥‥!」
「誕生日おめでとう、ヒナタ」
「あぁ、おめでとう」
「‥ありがとう‥でも‥ごめんね‥」

そう言ってあふれ出した涙をそのままにヒナタは頭を下げる。
すると頭に感じた優しい感触。
キバの手だったらしく顔を上げるとキバは笑いながら泣くなよ、と言ってヒナタの頭をぽんぽんと頭をなでる。

「さて、この状態どうするんだ?」
「‥風邪ひいちゃうから‥布団用意してあげなきゃ‥。」

三人でこの大勢を布団までつれていくというのも大変で、ようやく終わった時には既に明け方だ。

「ふー疲れた‥。ったく主役にこんなことやらせてどうするんだよ‥。こいつら」

呑気なナルトの寝顔をながめながらキバはそう呟いて背伸びする。薄く明るくなってきた空を眺める。

「さて、ヒナタも寝た方がいいんじゃねえか?」
「‥ごめんね‥色々手伝わせちゃって‥うんそれじゃ‥」
「おう、お疲れ、まあゆっくり休めよ」
「あぁ、無理はよくないからな。」

ありがとう、と言ってどうやら眠気が限界だったらしいヒナタも布団にもぐったのを確認して、食べ残しやプレゼントの箱が散らばったテーブルを眺めた。
目を合わせたキバとシノは同時に溜息をつきつつもその片づけをはじめた。
終わったのはすでに朝で、皆を起こさないように二人はヒナタの家を出た。

目を覚ませば昼前で、ヒナタは体を起こすと、感じた事のない優しい甘い香りにふときょろきょろとあたりを見渡せば見た事のない綺麗な綺麗な薄青の花束と綺麗な翡翠色をした羽をもった蝶で作られたかんざしだった。
きっと任務先でバタバタする中慌てて買ったものだろうか
嬉しくて、嬉しくてヒナタは静かで穏やかな昼前の時間の中、小さくに呟くようにいった

「ありがとう‥キバくん‥シノくん」

そっと瞼を下ろして優しい香りの中に顔を埋めた





















Happybirthday!ヒナタ!
2012.12.27


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