純白のレースに覆われて









なんでもう、こんなに自分はヘタレで駄目なんだろう
そう思う
目の前で鏡華殿達に女装させられちゃったらしいシュリニヴァーサ殿がきているのはウェディングドレス
なんでここにこれがあるかといわれれば今度の学校の出し物でこれがいるらしく知り合いから安く譲りうけたものらしいなのになんで彼が着ているんだろう
絶対拙者のことわかっててこんなことしているんだ

「へ、変じゃないかい‥どうして僕かこんなの着なければ‥」
「似あってますよ!」
「や、やめてくれ!嬉しくない!」

ちょっと顔も赤いしすっごい可愛い
止めるべきなんだろうけどしばらく綺麗な姿の彼を見ていたい

そうしていたらやっぱり確信犯だったらしく鏡華殿やリューシャ殿は他の女性の面々を連れてちょっと用事が出来たなんて言ってさっさと出て行った

「大丈夫でござるか‥?」
「大丈夫だよ‥全くどうして僕がこんなの‥」
「で、でもすごい綺麗だと思うでござる‥!」
「‥稜?」

震える手でそっと肩に触れてするりと細い腰を抱き寄せる
前から細いと思っていたけれど思っていたのよりも細くて白い手袋に覆われた手を握り締める

「稜、どうしたんだい?」
「こ、こんな綺麗なシュリニヴァーサ殿見せられて‥」

少しだけ顔を離して顔をのぞけばもっと顔が赤くなる
綺麗な薄い金色の髪を撫ぜて顔の前にかかったヴェールをゆっくりと上げる
まるで、結婚式の時にある誓いのキスをする時を思い出して自分まで恥ずかしくなる
そんなつもりじゃなかったのに
そうしていたら急に頬に涙が見えたものだからそっと驚かせないように優しく頬を撫ぜる

「ど、どどどうしたんでござるか!」
「い、いや‥」

君の、顔が見えないのが辛いからどうしてこの目が見えるようにしなかったのか今さら後悔したよ
震える唇がそう告げた

「だって僕が初めて、甘えられる人が、君だから」

切なげな表情でそんなこと言わないでほしい
こっちまで泣きそうになってしまうから
頬を撫ぜていた指先で輪郭をなぞり、高鳴る心音をおさえつけながらゆっくりと顔を近づける
どうやら行動がわかったらしくゆっくりと瞼を下ろした彼の唇に自分の唇を重ねる
しばらく重ねた後ゆっくりと唇を離す

「‥は‥稜、す、き」
「っ‥ぼ、僕もでござる!」

思いっきりその体を抱き寄せて目をぎゅっとつむるとするりと背に回された腕を感じる
ふわふわのドレスが揺れてそのまま傍にあったソファーに倒れ込んだ
不可抗力だけど押し倒す形になって

「‥あ、ご、ごごごめん!」
「どう、したんだい?」
「い、いや!なんでもないでござる!」

慌てて上から退こうとしたらもっと強く抱きついてくるものだから恥ずかしくなって
頭がくらくらする

「と、ても体が、あつい、んだ‥」

ちょっと色っぽくて熱を含んだ息を吐きながらそんなこと言われたら流石に抑えられなくなってもう一度ソファーに押し倒して唇を重ねる
角度を変えて何度もキスを繰り返すと息が上がって口の端から吐息が漏れる

「‥は‥っ‥りょ、う‥?」
「いいんでござるか?」
「うん、君の、好きにしてくれ‥」

抑えられなくなってそのままするりと細い腰を撫ぜて甘い声を聞きながら首筋に顔を埋めた





純白のレースに覆われて
(綺麗な君をみつけだした)







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