息がまともにできません










ふい、とよそを向いた君は拗ねたように頬を膨らませる

「なに、嫉妬でもしちゃった?」
「‥うるさいです‥‥」

あぁ、やっぱりすごい拗ねてる。ここ数日あっておらず自分の教え子に手いっぱいだったから拗ねるのも無理はない
ふくらんだ頬をつねってみれば、痛いです!と言って鋭い犬歯を見せて叫ぶように言って頬をさすりながらこちらをにらんでくる

「そんな拗ねないでよ〜、久しぶりの休日なんだからさ」
「顔近付けないでください!」

顔を押し返されてちょっと悲しかったり、そんなことをぶつくさいいながら腰を抱き寄せる
驚いたような表情をして赤丸に助けを求めているがおもちゃの骨に夢中な赤丸は尻尾を振っていまにも襲われそうになっているご主人の方を向いて楽しげに吠える

「俺は楽しいんじゃねぇんだよぉ!おい赤丸ー!!」
「ほらほら」
「ぎゃー!やめてください!」

と言いつつ顔が真っ赤なのは気のせいではないらしい
寂しいならさみしいって言ってくれればいつでも相手してあげるのに
なんて言ってほっぺたに唇を落としてみればぎゅっと目をつむる

かわいい、可愛い

そして上目づかいで見上げてくる姿についに理性の糸はぷつりと切れた

どさっと音を立てて押し倒せばなにやらわーわーわめいているのを無視して首筋に噛みつく
なんてしていたらおもいっきりそばにあった本の角で殴られる
しかも躊躇なく
とてつもなく痛い、どうしようもなく痛い

「‥キバ‥いま本気で殴ったでしょ‥」
「だって先生が変なことするからじゃないっすか‥!」

本を両手でつかんだままぷるぷる震えて涙目の姿はまさに子犬のよう
可愛いけれど殴られたところが痛くてさすりながら体を離す
さすがにこれ以上したら本気で泣いてしまいだろう

「‥‥べ‥べつにいいですけど‥今はいやです‥」
「なんで?」
「昼だからです!」
「じゃあ夜ならいいんだ」
「‥‥」

みるみるうちに赤くなる顔
頬のペイントと同じくらい赤い
湯気が出そうだ

「うーんもうちょっと優しく対処してほしかったけど可愛いからいいや」

もう一度抱き寄せて腕の中におさまったキバの手に持たれた本を取り上げる

「さすがにもう殴られるのは嫌だからね」
「先生がそんなことしなければいいんです!」

ぶつぶついいだしたのを眺めながら奪い取った本を眺めながら外から差し込む陽気に心地よさそうに船をこぎ出したキバをながめながら音をたてず近寄ってきた赤丸を撫でて静かに笑った











息がまともにできません
(きみがかわいくて、かわいくて)







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