午後三時


学パロ/失明














朝寝坊をしてあわてて高校に向かった
ついたのは朝のHRが始まる1分前
席に着いて後ろの席のナルトに挨拶を返しながらぱたぱたと顔を仰扇いでいたキバはほっとしたように鞄を机の横にかける
HRが終わって短い休み時間

「また朝寝坊かよ」
「うるせぇ昨日バイトが遅くまであってよぉ‥」

隣にいるシカマルがそりゃ大変だなあ、と言いながら机の上に置かれた紙パックのジュースに口をつけていれば話に混じってきた口うるさいサクラといのにシカマルの顔は最悪だといわんばかりの表情になる
そしてはじまるいつも通りのサスケの取り合い

「そういえばお前いく?こないだの文化祭の打ち上げ」
「そんなのあんのか、行けるなら行くけど」

そういい終わって鳴りだした休み時間の終わりを告げるチャイム
だらだらと皆席に戻っていった
退屈な授業を3時間終えて簡単なHRを終えた後クラスでの文化祭の打ち上げに行きつけの店に皆で向かうことになった

「全員参加なのか?」
「‥いや転校生のあいつはいかないみたいだぜ」

今日学校自体来ていなかったな、と前の席を見た後、すぐに携帯が鳴りだして慌てて取り出す
そしてメールを見た後キバは口を開く

「ごめん今日ちょっといけねぇ」
「なんでだってばよ」
「まぁ色々だよ、でもまあ用事がおわればいくかも!」
「了解〜」

キバは鞄を掴んで教室を出てあわてて階段を降りる
メールの内容と言えば母が今日アパートの近くまで来ているらしくその際話があるらしいためにしょうがなく今日の打ち上げは止めたのだった。
すぐに帰れば鬼の形相の母がいてキバは青ざめた

「あんたちゃんと掃除しろっていったでしょ!」
「いでっ母ちゃんそんな怒るなよ!!しょうがねえだろ!」
「口答えしないの!!」

がみがみと小一時間説教されてからようやく本題に入ってようやく話が終わり掃除をしてから帰って行った母を見送りながらキバはため息をつく。綺麗になったベッドに寝転んでそう言えばシノが来ていなかったと思って隣のシノが借りている部屋の扉を叩くと、がちゃりと扉があいた

「よ、お前今日学校きてなかったけどどうかしたのか?」
「別に‥何でもな、い‥」

言い終わる前にがくりと倒れそうになったシノを抱きとめる
異様に熱い体。元から低体温だったらしくここまで熱いと相当大変だろう

「おい!」
「済まない‥」

キバの腕を掴んで起きあがろうとしたシノを抱き上げて部屋にはいる
するとびっくりしたらしいシノはキバにしがみつく

思っていた以上に軽い体にキバは拍子ぬけしてバランスを崩しそうになったがなんとか持ちこたえて玄関を上がりベッドに寝かせる
話を聞けばここ数日なにも口にしていないため体重が落ちたのもあって酷い貧血を起こしていたらしい
酷く咳きこんだシノの背をなぜながらキバは心配そうに顔を覗く

「いつからつづいてんだ?」
「‥‥3日くらい、前から‥」
「なんで連絡しねぇんだよ、折角連絡先教えてやってたのによ、はぁ、まぁいいや、なんか作ってくるから寝てろ」

適当にばばっとおかゆを作りもっていく、半分くらい食べたところでもういらないらしく、スプーンを置いたシノはそのままベッドに倒れ込んだ

「薬、飲んどけ」

薬を渡せば少し躊躇した後シノは薬を飲んで枕に顔を埋めた
携帯を出して時間を確認すれば13時半。
打ち上げも始まったころか、と思いながらベッドに座って寝息を立て始めたシノを眺めながら静かな部屋でふぅ、と一息ついたあとベッドから立ち上がる
こんな病人をほって打ち上げに行くわけにもいかないし、むしろ打ち上げにシノがいないならたのしくもないな、と思ってぱたん、と携帯を閉じて皿を片づけてからまたベッドの所に戻って寝顔を眺める
つられて眠くなってきてそのまま瞼を下ろした


目を覚まして体を起こして耳を澄ませてみれば聞こえる寝息にシノはゆっくりと手を伸ばした
髪の感触を感じてそのまま指を動かせば肌の感触

「ん‥あ‥シノ‥?」
「‥起きた、のかキバ?」
「おう」

立ち上がってシノを引き寄せてそのままベッドに入る

「キバ、冷えている」

指先まで冷たくなったキバの手を握り締めてすこし赤くなった頬を隠す様に布団に口元を埋めた布団に一緒に入ってキバは幸せそうな表情をして強く抱きしめる

「あったけぇ‥」

抱き寄せたシノ頬を撫でてそのまま顔を近づける

「‥‥キバ‥‥っん‥」

唇を奪われて息ができなくてシノはぎゅっとキバの肩を握り締めて慌てたように顔をそむけようとするのを手で固定して舌を口に差し込む

「は‥ぁ‥ふ‥っん‥!」

歯列をなぞって何度も角度を変えてキスをして唇を離した
どちらのものともとれない唾液が糸を引くそれを手で払いながらシノは上がった息を整える

「は‥はぁ‥‥」

シノに乗り上げる形だったキバは上からどいて隣に寝転ぶ

「あーやべぇ」
「ん‥っキバ?あ、えっ‥」
「可愛い」
「キバ、駄目‥」

瞼に頬に額に何度もキスを落としながらするりとシノの腰をなでたところで手を止めた
それにシノは不安げにまたキバを呼ぶ

「ちょっとまってろ」

ベッドから出てばたばたと玄関に向かう。そして外に出ればにやにやとしたナルトやシカマルがいて

「お熱いようで」
「おいお前らなんで勝手にシノの部屋覗いてんの!!!」
「だって開いてた上にお前の声が聞こえたんだもんよ」

キバは項垂れながら歯ぎしりをしていれば後ろから声が聞こえて振り返ればシノがいて

「あああああ!おまえらはとりあえず帰れ!!」

そう言ってシノを連れてそのまま部屋に入ってがちゃりと扉を閉め鍵をかけたキバはうなだれる
どんどんと扉を叩く音とナルトの声が聞こえる

「キバ!!おまえってばシノとそんな「うるせえ!!近所迷惑だ帰れ!!!」

シノの耳を押さえながらキバは勢いよく扉を叩いてナルト達を追い返して深い深いため息をついたあとシノを連れてベッドになだれ込む

「折角いいとこまでいったのに‥まぁいいや」
「‥これが‥治ればいつでも、相手してやる‥」

ぼそぼそとキバの肩に顔を埋めながらシノはそう言って布団にすっぽり隠れてしまった
珍しいシノのデレをみれたキバは緩む顔を押さえることはできずまたぎゅっとシノを抱き寄せて言葉を返した

「じゃ、容赦はしねぇぜ」
「‥っ‥馬鹿が‥」

布団をはいでシノにもう一度キスをしてやろうとすれば感じ取ったらしいシノは咄嗟にキバの顔面に枕を押し付けた

「これとキスでもしていろ‥!」

そう言って背中を向けたシノに何度も謝りながらキバは楽しげに後ろからシノの頬にキスをした
















午後三時、
(俺はもう一度君に恋をした)




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