雨音と、体温
学パロ
授業が終わってテスト前ということで部活もなく放課後にいつもの面々でテスト勉強をするとか言うことになった
ナルトに勉強を教えているサスケはいよいよナルトの理解の悪さにものすごい勢いで貧乏ゆすりをしてなぜわからない!と叫んだとなりでにこにこしているサイは参考書を眺めているだけでその様子を楽しんでいるようだ
そのすぐ隣でまったりと勉強をしているのは幼いころからの友達らしいシカマルとチョウジだ。こちらはどちらもそれなりなためにわからないところを一緒に教えたりなどマイペースな様子でその後ろでノートの整理をしたり難しい話をしているのはまさに優等生、といった様子のリーとネジは見た目どおりで
「暇だな‥。」
「勉強しなくていいのか」
「すると思うか?」
「まぁな」
と会話を交わして教科書を開きっぱなしにしてぼーっとしているのはキバとシノでもっぱら勉強なんてするつもりも何もないらしい
机の上にとっちらかったノートの上に置かれた携帯をいじっていたキバの隣で一緒に勉強をしようといわれたもののもとより教えるつもりも勉強するつもりもなかったらしいシノは暇そうに外を眺めているだけだ
「なぁ、帰ったらダメなのかよ?」
「せめて勉強会なんだから勉強しろってばよ」
「無駄口を叩くなナルト」
「休憩がほしいってばよ!」
「黙れ!」
サスケにそう叩き伏せられたナルトはぶすっとしながらまた数学の教科書に向かう
くるっと後ろを向いてシノの方を向くとなんだ、と言わんばかりに睨んできたのも気にせずシノが机の上に置いていた携帯を掴んで、いじりはじめたのを見てぱっとそれをとられる
「なに?いかがわしいものでもはいっtぶっ!!」
思いっきりシノに殴られて顔面を押さえるキバは机に突っ伏したまま震えている
「‥い、いた‥いたい‥。」
「自業自得だ」
冷たく言われてがらりと立ちあがったシノの方をもう一度向く
「どこいくんだよ?」
「退屈なだけだ」
「俺も行く!」
「はぁ‥。」
しょうがないといった感じのシノに財布をポケットにつっこんでキバは並んで教室を出た
この季節ともなると寒く、すでに巻いていたマフラーに口元をうずめて階段を下りていく
「さみぃ‥。」
「ならばなぜついてきた」
「いいじゃねぇの、あ、ちょっと近くのコンビニまで付き合えよ‥。」
「はぁ‥かまわんが」
学校を出て薄暗い道を歩いて一番近くにあるコンビニ向かって適当に食べ物を買いこんで店を出るとつんざくように冷たい風に吹かれる
ポケットにいれた携帯を出して開けて時間を確認する
「もう5時じゃねえか‥。」
と言っていたらぽつぽつ、と雨が降り出した
学校に戻ろうと思ったが土砂降りになって慌てて旧校舎の軒下で雨宿りをした
「うっわ傘なんてもってねぇよ‥。」
キバは腰を下ろして空を眺める
シノは横で立ったまま遠くを眺めているだけでなにも喋らない
その腕をひいてキバはぐっとその体を抱きこむ
「なにをしている‥」
「いやほらこうした方が温かいかなーって」
溜息をつくが抵抗しないシノはそっぽを向いたまますこし頬を赤くしたままで抱かれている
「シノ、こっちむけよ」
「‥‥なんだ‥っ!」
心底鬱陶しそうにシノがキバの方を向けばサングラスをとられてそのままキスをされる
「ん‥っ‥は‥ぁ‥っふぅ‥。」
体から力が抜けて自分で支えることができなくなったシノはぎゅっとキバの肩のあたりを握り締めてそのまま唇を解放される
「は‥突然‥なにをするんだ‥。」
キバを睨みつけてシノは口元を覆って肩で息をしている
そしてそのまま顔を俯けてキバの肩に顔を埋めてしまったシノの頭を撫でながらキバはまだやみそうにない雨を目で追った
小一時間くらい経ってようやく雨は小ぶりになって立ちあがる
すこしうとうととしていたシノを起して小走りにまだ少し降っている雨の中をかけていく
靴を履き替えて教室に戻れば、どうやら勉強が終わったらしいナルト達が帰る準備をしていた
「遅かったなー、なにしてたんだってばよ?」
「雨がふって雨宿りしてただけだよ」
「へぇ、あれだけ「シカマル!!」
キバは咄嗟にシカマルの口を塞ぐ
そしてそのまま教室の端に連れていく
「お前‥見てたのか?」
「いやーたまたまだよたまたま」
「内緒にしろよ」
「何かおごってくれるなら」
「ちっ、わぁったよ!」
キバはばっとシカマルを離して平装を装って自分の席にある鞄をつかんだ
ナルトがシカマルになにがあったのかときいているのを睨んでいればシノがどうしたのかと聞いてくる
「んあ?なんでもねーよ‥。ったくシカマルの奴」
といっていれば教室に置いて行かれそうになってキバとシノはナルト達を追いかけて教室を出て行った
遠くでいまだにシカマルに何の話か聞こうとしているナルトの声が聞こえた