その愛で殺してよ




便利屋パロ
モブ×シノ












狂ってしまいそうなくらい頭が痛い
直に刃物で突き刺されているようだ。
昨日の夜からこんな状態でろくに寝れてない
よりにもよってこんな日に面倒な依頼がきたものだ
いらいらしつつ適当に足元におかれたままのコートを適当に羽織った
昨日からそのままで降りたままだった前髪を払いながらシノは荒々しく扉を閉めた
廊下を出て苛々を体現するかのように早足で事務室に向かう
そこでは呑気に話をして遊んでいるナルトやサクラ達が勢ぞろいだった
「お、おきてたの?おはよう〜」
「‥‥」
机の上に無造作に置かれた依頼書に簡単目を通してから雑に掴んでさっさと部屋から出て行った
「ありゃ相当イライラしてんな」
シカマルはそういいながら荒くしめられた扉を眺めながら呟くようにいった
冷たい空気を感じながらさっさと目的地まで歩いていく
昼過ぎの時間帯でそれほど人もいない時間。めずらしく雪も降っておりポケットに手をつっこんだ
路地裏に入り古びた階段をのおる、さびた扉を開ければ汚い事務所のような場所
雰囲気の悪い男たちに向けて銃を発砲した。銃弾は少しもずれることなく急所をとらえた
「こんなもの、自らやればいいものを」
そういって振り返れば顔見知りの男が数人立っていた
「探したんですよ?主人に言われていて、やっと見つけた」
「‥‥何が用だ」
銃をまっすぐに構えるがむこうも持っていたらしい銃を発砲した
「まあまあそんなイライラせずに」
銃を捨ててしょうがないと男たちに従った
「主人も貴方に相当執着しているみたいですねぇ大変みたいで」
「ふん‥それでお前達はその通りに動いているということか」
対して面白くもないラジオを聞き流しつつしばらくしてついたらしい昔いた豪邸について面倒に思いながら車から降りる
通された部屋に一番合いたくない相手が座っていた
「まっていたんだよ‥?」
最悪だといわんばかりの表情で部屋に入ったシノに近づく男はぐっと体を引き寄せる
抵抗も見せずそのまま抱き寄せられて悪趣味なベッドに押し倒される
首筋に顔を埋めて荒々しく服を脱がせる男から目線をはずしながら瞼を下ろして小さく舌打ちを打った











行為が終わり服を着てベッドから出ようとしたシノの腕を引いて男はもう一度引き寄せるそして目の前に突き出されたのは注射器とその中に入った透明な液体
そのままそれを白い腕に突き刺す
シノは男を思い切り蹴り飛ばして注射を引き抜いて体に回らないように腕を布で縛って隠し持っていた銃を取り出す
だが速効性があるらしい薬は手当てが遅かったらしく視界がぼやける中必死に意識をつなぎとめる。
「そんなに逃げようとしなくてもいいじゃないか」
歩きよってくる男はぐっと髪を掴んで思いきり壁にたたきつける
その際頭を強打して血が流れ出す
それを舐め取りながら男は言う
「十分に生きている君を堪能できたんだ、だから次は君を殺して、そのまま私の人形のコレクションに入れてあげよう」
毒がまわってきた所為で意識が遠のく中、聞こえた荒々しく開く扉の音
悲鳴やらなにやらが入り混じる中聞こえた声
「はいはいおっさん、そこまでだ」
男の後頭部に銃を突き立てて冷たく睨みつける姿が目の端に映る
男は反撃しようと傍に落ちていた銃を持って男に銃を突き立てていたキバに向かって発砲しようとしたのを倒れていたシノは無理矢理体を動かして男の腕を掴んでその体を叩き伏せ銃を奪い取って顔面に突き立てて引き金を引いた
「動けたのかよ」
「‥‥は‥っなぜ‥ここがわかった‥?」
「まあ色々とな、それより戻るぞっとかいってたらきちまったか」
この男の部下である数人の男が部屋に走ってきた
咄嗟にキバはシノの腕を掴んでそのまま窓ガラスを突き破って庭に飛び降りた
2階だったために相当な高さがあるなんとか受け身をとって男たちを振り払って庭先に止めようとした車の運転手を引きずり出す
「すまねぇ!借りるぜ!」
そう言ってもう相当毒がまわっているようで苦しげなシノを助手席に乗せてそのまま車を急発進させた
「大丈夫か?」
「あぁなん、とか‥‥」
追手を振り払ってようやく安心したようにキバはアクセルから足を離した
「ほらよ、薬」
「‥なぜ‥持っているんだ‥」
「いやまあたまたまだ」
「そうか‥‥」
薬を飲んで息をついて髪をかきあげる
「しかしなんだ、お前が助けに来るとはな」
「お前ほんと失礼だよな、てか今日なにイライラしてたんだ」
「別に」
しばらくして事務所について適当に車を乗り捨て玄関の扉を開けると晩御飯の時間らしくわいわいと賑やかな声が聞こえてくる
「薬はきいたか?」
「なんとか」
「そんで任務は終わったのかよ」
「当たり前だろう」
「あ、おかえり二人とも‥シノくん怪我してるみたいだけど‥」
「大丈夫だ」
「強がっちゃって」
「何か言ったか」
いいや、と言ってブーツを脱いでまだ歩くのはしんどいらしくささえなしでは歩けないらしくシノの自室に運ぶ
そのままベッドに横たわらせる
「飯は?」
「いらん」
「朝からなんも食ってねえんじゃねえの」
「気分だ」
ベッドに寝転んだまま顔だけを上げたシノはサングラスをとって適当にサイドデスクに置いて溜息をつく
それを眺めながら煙草をくわえて火をつけたキバは溜息をつきながらシノの腕を引く
「怪我だけ治してやっから待ってろ」
「ふん‥」
そう言って頭にできた裂傷を処置していく
「これでいいだろ」
包帯を巻いて処置は終わって救急箱を戻して部屋に戻ればまたベッドに横になったままのシノはぼんやり遠くを見ていた
声をかけようとしたら遠くから元気ないただきますという声が聞こえてきたのをききながら短くなった煙草を灰皿につぶした
そういってベッドに腰かける
「一応準備してくれてるみてえだぞ?」
「賑やかなのは嫌いだ行きたいなら行けばいい」
「別に腹減ってねえからいいんだけど」
なら別にいかなくてもいいだろ、と言ったシノの方を向くと相変わらず外を眺めている
退屈だ、といわんばかりの表情をしたキバは後ろから抱き寄せる
その時ふと見えた白い首筋の赤い跡にむっとしたように首筋に噛みついた、小さく声をあげたシノはキバの肩を掴んで引きはがすがその腕を掴まれてベッドに押し倒される形になる
離せ、というがキバは聞く耳を持たない
「何だ、そんなに知らない男が残したものが気に入らないか?」
「そんな生き物なんだよ人間ってのは」
「大丈夫だ、愛しているのはお前だけだ」
急にそんな事を言われてはキバは目を丸くして動きを止めた
顔が少しだけ赤くなってシノの上からどいて背を向ける
すると後ろからシノが膝立ちの状態で後ろから抱きついてめったに見せない笑顔で言う
「返事くらい、ないのか?」
小さく笑うシノの方を見ながらキバは舌打ちを打った後、もう一本煙草をくわえてから言葉を返す
「愛してるよ、ばーか」
腰を上げたキバはポケットに手を突っ込んでライターを出して煙草に火を付けてから振り返るといつものような無表情に戻ったらしいシノもベッドから腰を上げる
「なんだよ」
「別に」
「あーもう今日のお前すっげ調子狂う」
「たまにはいいだろう?それとも興奮でもしたか?」
「うるせぇ!!!興奮何かしてねぇ!!」
部屋から出ていこうとしたキバにシノはそっと頬に唇を落とすとキバは先ほどよりも顔を真っ赤にする
どうあがいてもシノには敵わないらしいキバはうなだれてからさっさと部屋を出た、その隣に並ぶとぶすっとしてシノを睨む
「なんでついてくんだ!」
「いいだろう」
「なんだぁ、夫婦喧嘩か?」
声が聞こえて睨みあっていたキバとシノはそちらへ目線を向ければ先ほどのキバの声になにごとかとご飯をしていたらしい後の同僚が顔をのぞかせている
「誰が夫婦喧嘩だ!!!夫婦じゃねえし!!」
「仲いいよなあ、お前ら」
「よくねぇ!!」
シノから離れようとしたキバの足をひっかけてこかせたシノは知らんぷりしながらこけたキバを眺める。顔面から床にダイブしたキバは震えながら両手で顔を覆っている
「‥い‥いた、痛いしぬ‥‥」
「大丈夫か」
「どこをどう見たら大丈夫に‥見えますかね‥‥」
と顔を上げればもうすでにシノはさっさと歩きだしている
「どこいくんだよ!」
「いかないのか?」
「どこに」
「デート」
「誰と」
「さぁ」
「答えろよ」
「そうだな、ナルト」
「まじかよ」
「嘘だ」
「しばくぞ」
「どうぞ」
そう論破されたらしいキバはシノから目線を逸らすとなにか面白かったらしいシノはくすくす笑いながらくるりと背を向けてブーツをはいた
「それで、いかないのか、デート」
「はぁああもうしょうがねえな!」
「自分の名前を呼んでほしかったくせにな」
笑い続けるシノを睨みつつキバも靴をはいた後ろから聞こえる野次馬の声を無視しつつ玄関を出た。もう時間的には21時を過ぎたころ、突き刺すような寒さに身を縮こませながらキバは玄関を出て先に歩き出したシノの背を追いかけた










その愛で殺してよ
(それくらいきみをあいしているの)



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