A meteor stream




ED後












まぶしい日差しに目を覚ましてゆっくり瞼を開く。
ここ最近ずっと仕事の所為で城の中を走り回っていたから大変で久しぶりの休暇を取り久しぶりに外にでもいこうか、なんて思って服を着替えて外に出る。

少しだけ肌寒い風が頬をなでる。
うーんと背伸びをして歩きだす。ここ最近ずっと運動なんてものしていなかったから筋肉だって亡くなったからちょっと二の腕を触って見たら柔らかくてお腹もつまめるくらいで。数年ずっとデスクワークしていたら仕方ないか、なんて思いながら階段を上がったら息が上がったことに少しだけ切なくなったりして。

「‥はぁ‥。ちょっと体力落ちたのか‥?」

息を整えながらゆっくり歩いていれば港の方についてなにか声が聞こえるな、なんて思って朝市で盛り上がるそちらへ目を向けるとそこにはどこかで見た事のある面々。
その中の一人の少年がこちらに目を向ける。
驚いた顔をしていてびっくりしているようであった。

「あれ?リカルド?」
「‥うん?人違いじゃない?」

そう言っているその人たちの元に向かう。

「なんだ。」
「あっやっぱりリカルドなんじゃん!」
「そうだが。」
「雰囲気変わったわね。」

赤い髪の少女、イリアに顔をのぞかれながらリカルドは返事する。
煩いななんて思っていたのがつい口に出た。

「久しぶりに会いにきたっていうのになによそれー!」

頬を膨らませたイリアに対して溜息をつきつつ前にもきたことがあるからイリアたちはそちらへ向かった。


振り返って周りを見渡す。
やっぱり、そこには自分の望んだその人はいなくて。
小さく息を吐いてその後について歩きだした。

その夜、今日は数十年に一度の大きな流星群のある日。
雲ひとつない天気にそれを見に来たのもあるメンバーはどこか嬉しそうで。
夕飯を食べて冷え込んだその日に城の裏にある広い高台に向かい空を見上げながら寝転ぶルカ達を見ながら苦笑いを浮かべる。

一筋の星が流れて、徐々に多くなる流星。
数分後には沢山の流れ星が流れる。


空耳だろうか、誰かの声が聞こえた気がしたから。

「どうしたんですか?リカルドさん?」
「い、や‥。少しいってくる。」

立ち上がってその丘を駆け降りる。何を焦っているんだ。なんで、こんなにも胸が高鳴るのか。
細い路地裏を駆け抜ける。
すぐに息が上がって、苦しくなったけれど今はそんなことも考えられなくて。
誰もいない道を走り抜け広がった誰もいないその場所。先ほどいたところは自分たち以外にも街の人がいたけれど、そこには誰もおらず、あたりを見回す。
よく見ればここからまた少しだけ離れた丘の下に、初めて見た、光る花。
きっとこの流星群に反応して光るのだろう。一度きいたことのある童話で聴いた事のあるその花。
またはじかれたようにまた走りだしてそこへ向かう。

「はぁ‥はぁっ‥。ベ、ルフォルマ‥。」

探していたその人の名前を呟いて、そこへ向かえば人気がして見渡せば、人影が浮き上がる。
草と草の擦れあう音がして、合わない焦点を合わせる。息ができない。




そのままぐらりと座り込んでしまったリカルドにそっと手を伸ばしたのは、そう彼の探していたスパーダで。
リカルドはどうしようもないくらいうれしくて仕方なくてあふれ出した涙をそのままに差しのべられたスパーダの手にそっと手を重ねてふわりと抱きしめられる。

「やっと会えた。」

そう低くなった声で言われる。背中に腕を回してまた幾分と成長した、スパーダはリカルドの身長を抜いてしまっていてリカルドは肩に顔を埋めて声を上げて泣く。
温かく大きな手にでスパーダはリカルドの頭をなでながらずっと細くなったリカルドの体を強く抱き寄せる。

「ごめんな。」
「うっ‥ひっく‥。」
「いつからそんな泣き虫になったんだよ‥。」
「うるさっ‥ばか‥。」

ちょっと可愛い、なんて思いながらスパーダはリカルドから体を離す。
すごくさみしかったんだろう。
泣きやんだリカルドの笑いながら頬を軽く抓る。

「笑ってろよ。泣いてないで。」

目元を泣きはらしたリカルドは顔を真っ赤にして俯いて目線をそらしてしまう。
スパーダはつけていた腕時計を見ながら、言葉を続ける。

「もうすぐ一番流れ星が多くなる時間だ。」

そう言って顔を上に向ける。リカルドも同じようにまだかすんだ目をこすって空を見上げる。
するとそこには沢山の数えきれない流れ星と、優しい光を放つ月。
瞳に移しきれないくらいのそれにリカルドはただ驚いたような表情で。

「すごいなぁ‥これは‥。」
「そう、だな‥。」
「でもめったにないこういうことリカルドと見れると思うと嬉しい。」

そんな臭い言葉を言うと照れくさそうに笑いながら顔にかかる髪を掃いながらぎゅっとスパーダの手を握る。
そのままスパーダに腕を引き寄せられてそのままキスをする。
一瞬で離れてそのままいう。

「好きだ。」

真剣なまなざしで言われてリカルドは小さくいう。

「ずっと‥待っていた‥。スパーダ‥好き。」

そのままぎゅっと抱きついて花畑の中二人で寝転ぶ。
体温を感じあいながらそっと指を絡め合った。






















流れ星に願いを
(そんなものいらない、貴方と出会えたことが幸せだから)








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