*Gardenia
今日はちょっと贅沢に、と二人一組で部屋を借りることになって、割り当てでスパーダはリカルドと一緒になった。
なんだかんだあって告白して成功して一応恋人という仲。もちろんそんなこと他のメンバーにいえるわけがない。
野宿続きで二人きりの機会なんてなかったから、もちろんうきうきしているわけで。
「どうしたにやにやして、気持ち悪い。」
そうリカルドに言われてスパーダはうるせえと返事して帽子を脱いでサイドテーブルに置いてベッドに倒れる。
「なぁ付き合ってるんだからもっとそれらしいことしてもいいんじゃねーの?」
そういいながらベッドを降りてリカルドに近づく。ものすごく嫌そうな顔をしてリカルドはスパーダから離れる。
「来るな変態。」
「いいじゃねーのリカルドー。」
後ろからリカルドを抱き寄せる。そのまま後ろに倒れこむ形でスパーダの腕にすっぽりおさまる。
「ベルフォルマやめろ!」
「いいじゃん。」
じたばたするリカルドの抱き寄せようとしたらバランスを崩して、そのままリカルドを押し倒す形になる。
その際に髪が解けてリカルドの顔にかかる。
「な、なにしてる!ベルフォルマ…!」
「興奮した?」
「しているわけないだろう!」
そんな赤い顔をしていったって全然説得力無いのに、なんて思いながらスパーダはリカルドの上に乗り上げる。
そのままリカルドの唇を奪う。
「んっ!…ふぅ…!」
「……はっ…。」
熱に浮かされて涙の浮かぶリカルドの目元に唇を落としてやればリカルドはびく、と体をはねさせる。
そのままピアスのついた耳に舌を這わせる。
中にまで舌を入れればぴちゃぴちゃと響く水音、甘い声を上げるリカルドは目をぎゅっと瞑る。
彷徨わせていた手がスパーダの肩口を握る。
「あっ…はっ…そこ、やっ…。」
「可愛い…。」
「あっあっ…ひ、あっ…!」
耳が弱いことは知っていたからしばらく舌を這わせて、十分に濡れたリカルドの耳から舌を離す。
「はっ…も…やだっ…はずかしっやぁ!」
ベルトを腰から引き抜いてそのまま下着ごとズボンをずるりと、下ろす、白い綺麗な脚に手を這わしてまた耳に舌を突き込む。
首を横に振ってリカルドは必死に、スパーダの肩を押し返そうとするけど、力が入らなくてただ手を添えているだけになっている。
そんなのが興奮材料なのに、とスパーダは思いながら顔を上げて、足を大きく開かせる。
そんな態勢が恥ずかしいのかリカルドは震えて枕をぎゅっと抱き寄せている。
「や、そんな恥ずかしい…とこ、見る、なっ…。」
スパーダが何も行動を起こさないのに一気に恥ずかしくなったのかリカルドは足を閉じようとしたがそれを制して、太ももをなでる。
徐々に中心にもっていきリカルド自身に触れる。
「ひっあ…!」
先走りで濡れたそれを手で扱き、刺激を与える。枕の所為で声が聞こえなかったからその枕を奪ってスパーダが使う方のベッドに投げ捨てる。
「やっやだっ!意地悪しないで…くれっ…!」
「だってそれじゃリカルドの可愛い声が聞こえねぇじゃん。」
「ひあっや…あっそんなっ、イく…!!」
「久しぶりだから早いな。」
激しく手を動かせばリカルドは腰を跳ねさせて白濁を腹に出して余韻に体を震わせていたが、スパーダはそのまま濡れた指を後孔に差し込む。
「ひゃっ!?」
急にそうされたのかリカルドは素っ頓狂な声を上げてスパーダを睨む。
それにいつもの威力なんてないのに。
苦笑いを浮かべたスパーダはついにリカルドの目尻からぼろぼろとあふれ出した涙を指で拭う。
中に入れていた指の動きを止めていたらリカルドは物欲しそうな顔でスパーダを見る。
「どうしてほしい?」
「っ…!」
「やめたいのか?やめたいならすぐに終わらすけど。」
「…や、やめないで…っ。」
スパーダはどうしてほしいか言うように何度も促すがリカルドは恥ずかしがってぼそぼそ何かを言っているだけで全然聞こえない。
しばらくしてリカルドは震える唇を開く。
「っベルフォルマ…の指で中…ぐちゃぐちゃにして…欲しい…。」
「よく言えましたっと。」
指を届く場所まで入れ、ゆっくり動かしていく、ほぐれてきたそこへ指を増やしてその無骨なスパーダの指がバラバラに動く。
「ひっあっあ、あっ!やぁっ!!」
もう理性なんてないのだろうか、リカルドは体を震わせながら甘く、甲高く、喘ぐ。
その姿をスパーダは見ながらくちゅ、と音を立てて中から指を抜いて自身を出してそこに宛がう。
「…スパーダ…欲しい…っああっ!!」
一気に奥まで突き入れるとリカルドは背を反らせ自身から白濁が吐き出される。それを気にも留めずスパーダはリカルドを突き上げる。
律動を開始してリカルドは声をひっきりなしに出していたが、スパーダは何かに気づいたようで咄嗟にリカルドの口を手で覆う。
「っん…!?」
「誰か来た…。」
その言葉にリカルドは目を見開く。こんな痴態、他の人に、それも同じ旅をする仲間に見られたら、なんて思うと恐怖でいっぱいになったのか尚更涙が溢れる。
「スパーダ君、今いる?」
それはアンジュの声だった。
リカルドは混乱したような表情を浮かべていたがスパーダは冷静に返す。
「ん?どうした?」
「ちょっとね、用事があるんだけど…。」
「わりぃ、今ちょっと用事してて、今は無理だ。」
それでも尚スパーダはリカルドを突き上げる。
「んんっ!!…ん!…うぁっ…!」
「誰かいるの?」
「俺だけだけど?」
「リカルドさんは?」
「出かけるつってどっかいったぜ。」
そう、リカルドさんにも頼もうかと思ってたんだけど。
アンジュはそう言ってありがとうとだけ言い残してその場を去る。
リカルドの口元にあてていた手を離してリカルドの腰を引き寄せそのまま抱き寄せる。そうするとリカルドはスパーダの背中に腕を回してぎゅっと抱きついてくる。
頭を撫でながら優しく囁く。
「ごめんって、もう泣くなよ。」
「っくスパーダっ…あっあぁっ…ひっ!!」
律動を速めていくにつれてリカルドの喘ぎ声は高くなっていく。
「あんっ…あっ…あ!スパーダっ!!」
「は、リカルド…気持ちいいか?」
「…気持ち、いい…もっと、あっ…激しくっしてっ…!」
粘着質な水音とリカルドの淫靡な喘ぎ声が混ざりあって耳の中まで犯されているようで。
スパーダはリカルドの腰を抱き寄せたままラストスパートをかける。
「ひ、あぁあっ!!スパーダぁ!!」
「リカルドっ…イけ、よ!」
一際びくんっ、と体を跳ねさせた後、リカルドはスパーダの背中に爪を立てる。
「ああっ、あっああぁっ!!」
「リカルドっ…く…。」
後孔に自身が締めつけられスパーダはリカルドの中で果てて大量の白濁を吐き出してリカルドは二人の腹部に吐きだす。
脱力したリカルドの体をベッドに横たえて、中から自身を抜き取る。
それとともに、白濁が流れてそれに感じたのかリカルドは吐息を零す。
「ひ…ぁ…ん…。」
余韻に浸るリカルドに軽くキスを落として後始末をする。
激しくし過ぎたのかリカルドは少し苦しげにしていたが恥ずかしいのかそっぽを向いてしまった。
ひとつのベッドに二人で入って、後ろからリカルドを抱き寄せる。
「やってる最中のあんたすっげぇ可愛い。」
「うるさい。」
「いつもあれくらい素直ならいいのに。」
「黙れ。」
スパーダはそう言って布団に顔を埋めたリカルドの頭をぽんぽんと撫でる。そしたら顔を出して睨みつけてくる。
でも顔は真っ赤だから全然意味をなしていないその行為にスパーダはぷっ、と噴き出す。
「何が面白い…馬鹿が…。」
「そんな怒るなってー、だってあんたすっげ気持ちよさそうだったじゃん。あれ全部演技だったの?」
「っ…そ、んなの…気持ち良かったに…決まってる…。」
「あーやっぱ可愛いわ…。」
そう言ってぎゅっと抱き締めればくすぐったそうにしながらもリカルドは笑ってスパーダの背中に腕を回した。
「好きだぜ。」
「…ふん、好きじゃないと…こんなことしない…。」
「…なぁ、もしかしてお前って…初めて?」
その問いにリカルドが顔を真っ赤にしてスパーダの顔面に枕を叩きつけたのは言うまでもない。
「いててて、怒るなよ。」
「んで?」
「で?」
「初めてなの?」
「うっうるさい!初めてだ!悪いか!」
Gardenia
(僕はとても幸せさ)