*ないしょのはなし















いろいろあって皆で合宿という形で里から離れた旅館に来ていた
元はと言えば行きたいと言った人だけだったのだが、くることになってしまったのだった
女子は女子で部屋が割り当てられて、男子は部屋をとる時に6人部屋と2人部屋しかとれず、誰が2人部屋にいくかということになっていた。

「あみだくじして当たった班の2人が2人部屋にするか?」


そう提案したのはシカマルでとても面倒くさそうだった。そうしてくじに当たったのが元はと言えばこの合宿に来る予定ではなかった8班の2人であった。
遠巻きに見ていた2人に部屋が当たったことを知らせると、2人ともものすごく嫌そうな顔をしたあと声をそろえていった


「何でこいつと2人部屋なんだ(よ)」
「仲良くしろって…。」
「まぁいいけどよ。」


そう言ってさっさと部屋に行ってしまった2人の空気は最悪だ
6人部屋と2人部屋は並んでいたためにキバとシノのいる部屋に隣ではしゃいでいる5人と静かにしている1人の声が筒抜けだ
なんだかんだ聞き耳を立てていたらどうやらあとの女性陣が乱入したらしくもっと音がうるさくなった


「あー何でこんな合宿につきあわされなきゃならねぇんだって。」
「同感だな。」


ごろごろしていたキバはおもむろに顔を上げてシノの方を見る


「なぁ、ずっと気になってたんだけどお前って何でサングラスとらねぇの?」
「取る理由がないからだな。」
「素顔見せろよ。」


そう言ってばっ、とシノにのしかかる
キバの腕を掴んでその体を押し返すが馬鹿力のキバに押し負けてそのままサングラスを取られてしまった
切れ長で二重で、肌も白いから初めて見たシノの素顔はとても綺麗だと思った
それに何より綺麗、と思ったのが、サングラスをとった先にあった赤紫の瞳で


「なんでそんな綺麗な顔してんのに隠してんだよ。」
「別にいいだろう。」


諦めたのか、サングラスをポケットにしまって澄ました顔をしている
シノの顔を見つめたキバはにやりと笑ってそのままシノを押し倒した


「…何をしている。」
「みたとおり。」
「お前は馬鹿か、すぐ隣にあいつらがいる。何より男同士だ。」
「いいじゃねぇの。」


口元までを覆っていた服の前を寛げ、白い首筋に唇を寄せた
抵抗を見せたがすぐに止んで、諦めたようによそを向いた








「は…キ、バ……。」
「声、抑えろよ。」
「っあ…ふ…っ…。」


切れた唇から血が流れて、シノの口元を伝う
キバはシノを突き上げつつ唇を塞ぐ


「ふ…っん…。」


唇を離せばいつものクールで何事にも動じないシノはいなくて
白い頬を赤くさせて、息を荒くして眉間にしわを寄せて小さく甘い声を上げている


「かわいい。」
「…黙れ…っ!」


ぎっと睨んできたシノの最奥を突き上げればびく、と体がはねて声を上げそうになって手でふさごうとしたのをキバは掴んで止める


「あぁ…っひ…キバ!」
「声抑えねぇとばれるぜ?一応入ってきてもばれない場所でしてるけど。」


丁度死角になるもののもし他のメンバーが入ってきたら、と思っていたら襖があく音がした


「おーい2人ともいねぇのかー?」


ナルトの声だ。ほかの面々もいるようで声がざわざわと聞こえる


「っ…ふ…は…っ!キバ…止めろ…。」
「むり。」


聞こえないくらいの声でキバはそうシノの耳元でいいつつ腰の動きを速める


「ば、かがっ…っぁ!」


必死に声を押さえようとしているシノの口をキバは抑える
流石に見つかるのはこれから彼らと付き合う際に空気が悪くなるしからかわれるのは勘弁だったからだ


「どこにいったんだってばよ…。」


そう言って襖がしまる音がして、安堵したようにキバはシノの口を覆っていた手を取る


「お前結構本気で噛んだだろ。」


赤くくっきりと残っている歯型にキバはため息をつきながら、律動を再開した


「あっ、…とつぜ、ん…っひ、あぁっ!」
「もうちょっと早く素直になってくれてもよかったんじゃねぇの…ったく。」
「…っあ…ぁ…!」


白い喉を仰け反らせてシノは甘く喘ぐ。
熱が込み上げてどうしようもなくなって、限界が近くなる


「は…やべ、イ、きそ…。」
「っ…あ、あぁ!」


高い声が上がってシノは絶頂を迎えてキバはその中に白濁を吐きだした
すぐに後始末を終えて、ものすごく不機嫌そうなシノはぐったりしたようにしていた


「お前ってあんな声出せるんだな。」
「うるさい、黙れ。」
「そんなつんけんするなよ。」


と言って後ろから抱きつこうとしたらシノはキバの顔面に肘鉄を食らわせて睨んだ


「調子に乗るな。」
「いっでええ!手加減しろよ!」
「うるさい…。」


しばらくもがいていたキバに溜息をつきつつシノはよそを向いた


「もうちょっとデレとかほしいよな…。」
「十分だろう全く。」
「まぁ可愛かったからいいけど。」
「しつこいな。」


その声にキバは静かに謝って顔をさすりながらうなだれた
とその時聞こえた誰かの声で二人が振り返ってみればにやつくシカマルがいた


「へぇ、仲いいみたいじゃねぇの。」
「お前、まさか!」

キバの肩を叩いて言葉を続ける

「大丈夫、大丈夫、内緒にしてやるよたぶん。」
「たぶんって駄目じゃねぇか!」
「ていうかあれだけ皆の前ではけんかばっかりしてるお前らがそんな関係だったとはなぁ・・。」
「一応聞くけどどこから見てた。」

少しだけ考えた後シカマルは涼しい顔でこたえる

「途中からだな。しっかしまぁ珍しいシノの素顔見れたし。」

楽しげに、わらいながらもうすぐ飯だから来いよー、とかいいつつ部屋を出て行ったシカマルを慌てて追いかけていったキバを眺めながらシノはため息をついて部屋を出た






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