これが夢ならよかったと


酷いギャグ
可哀相な八班











年末ということで飲み会をするということになっていたらしいが、この冬に、この寒い霧隠れの国まできていたのだ

「‥‥なんだって‥任務なんだよ普通なら全員年末休暇だろ‥。」

年末年始は特別な任務がない限り忍者もみんな短いながらも休暇に入るのだった。
だが先日綱手に突然呼び出されたのが発端だった。

「集まってもらったのはほかでもない、大事な任務のためだ」
「‥明日から‥休暇じゃないんすか‥。」
「そうだったのだがな、暇そうな他の班にも頼もうかと思ったんだ」
「じゃあ頼めばいいじゃないですか」
「残念ながら探索してもらいたいものが丁度あってな」

ふぅ、と息をついて立ちあがった綱手は真中に立っていたキバの前にどんっと紙を突き出す
かかれた文字と写真を見る

「‥‥鳥?」
「‥そうだ鳥だ。私の友人がどうしても探せというのだ、しかもさがしてくれたら飲みにつれていってくれるということなんだ」
「‥それで?」
「頼んだぞ」

キバの顔面に紙を押し付けて有無を言わせない空気を出している

「‥俺らの休日は‥‥」
「見つかるまでなしだ、それとタイムリミットは年が明けるまでだ」

そう言ってさっさと部屋を出て行った綱手の方を見ることもなく立ち尽くすキバと、シノ、ヒナタは同時に息をついたのだった。

「なんだよ‥他の奴ら今頃休日楽しんでんだろうな‥。」

キバは紙とにらめっこをしつつようやくついた霧隠れの里に入ってその鳥を探す。

「鳥ぐらい‥違うの買えよ‥。」
「まったくだな‥。」

珍しくキバの意見に賛同したシノはとにかく面倒臭いのだろう、いつになく声が低い

それほど時間もかからないだろうと思っていた鳥の探索は想像以上に難航した挙句タイムリミットの年明けまであと数時間というところまできていた

「だあああなんでいねえんだよおお!!」


だんっと地面を踏みつけてキバとそれを眺めるシノ、寒そうに口元を隠すヒナタは霧隠れの里の一番奥にある森の方まできていた

「鳥の鳴き声が聞こえるな‥。」
「まじかよ‥」
「あ、そこに!!」

写真どおりの綺麗な青色をした鳥を見つけてヒナタは咄嗟にその鳥に気づかれないように近づいていって捕まえた

「やっと捕まえた‥!」
「ヒナタ!流石だぜ!!」

と喜んでいればシノはふと気づいたように言う

「時間は大丈夫なのか、戻って報告するまで任務は終わらないぞ」
「‥あ‥やべぇ」

それに気づいたキバとヒナタはシノの方を向く
すぐさまUターンして、かけ出した
いよいよ年が明けるということで火影の屋敷まで続く道は人であふれかえってとてもじゃないが通れるものではなく家の上をとびうつりながら傍にあった時計をちらりと見ればあと10分
なんとか間に合い階段をかけあがる

「はぁ‥はぁ‥火影様‥任務‥おわりました‥。」
「おおよくやった‥!」

鳥の飼い主である綱手の友人は鳥を見つめながらよかったと胸をなでおろした。

「まぁ、報酬は今回ははずもう」

そう言って報酬を渡されてほっとして三人はもう年明けなど楽しめるはずもなく、解散しようとした途端聞き慣れた声が聞こえる

「いたいた‥ちょっとあんたら!きなさい!」
「は?いの!?おまどうしたんだよ?」
「いいから!!」

無理矢理引っ張って行かれ、今日予定していた通り飲み会をしていたらしいシカマルやナルト、ネジ達のいる飲み屋までひっぱっていかれる
がらりと扉を開けたそこには、三人の先生である紅が大暴れしていた

「頼んだぜ‥!」

シカマルにぽんっと肩を叩かれて避難するように店の外に出る。他の面々もいつにないスピードで店から出ていきぴしゃりと店の扉がしめられた
酒瓶を持ってふらふらと立ち上がる紅が窓を背にして立ったままの三人を見つける
こんなホラー映画あったような気がするな、と三人は同時に心の中で思いながらゆっくり歩いてくる紅をみて後ずさる

「あらぁ、遅かったじゃなぁい‥ふふふ‥。」
「紅先生も、もうやめましょう、ね?」
「いやよ!!!あんたらも!!飲むのよ!!」
「いや未成年ですしあの先生!!」

キバは扉を開けようとするが鍵がしめられているらしくがたがたと音が鳴るだけ
紅にひっつかまれた三人はそのまま座らされる
そして数時間に及ぶ紅の愚痴と酒に付き合わされる

「だぁから!なんで私が悪いのよぉ!!アスマの奴!!」

ビールの入ったジョッキをダンッと机に叩きつけてうだうだとアスマがデートに遅刻してきたことやすっぽかしたこと、日頃のストレスを説教じみた感じで永遠ときかされようやく終わった時には朝を迎えていた
お酒を飲まされたために二日酔いながらも酔い潰れて寝てしまった紅を家まで送りようやく解放された
いつの間にか年が明けていたなと、遠くで登る朝日を茫然と眺める

「‥‥‥」
「疲れたね‥。」
「‥はぁ‥なんだこれ‥」

ようやく帰れると思って帰ろうとした瞬間足音がしてさきほどまで飲んでいたらしい綱手と鳥の探索をした飼い主がいた

「あ、あのすみませんが‥。」

なにも入っていない鳥かごをおずおずと渡される

「次は砂隠れらしい、頼んだぞ!」
「俺の、俺の休暇‥。」
「頑張れこれが終わればちゃんと休暇をやる」

にこにことした綱手はその友人の肩を掴んでまだ飲みに行くぞなんていいながら踵を返してまだにぎわう街の中に溶けていくのを三人はただただみていることしかできなかった。


















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不憫な八班の話をかきたかっただけ
探索にたけてるし結構特異な小隊だと思うので
きっとまわってくる任務はほかの班より
ややこしかったり、面倒だったり多かったりするんじゃないのかなと。










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