キドマド(LAL) 滑り込みでひげの日! ひげネタ 「ヒゲがよぉ……いてぇんだよ…」 泥酔状態の賞金稼ぎが、カウンターでぽそぽそと呟く。 「ほーんと、…ヒゲがさぁ」 そうですか、と言いながら、酒場のマスターは内心首を傾げる。目の前の酔っ払いには、髭は生えていない。 何故、髭が痛いのか。 「何であいつ、俺に頬擦りすんの…」 解決した。頭が痛い。 余程の事がない限り、相手は女性ではないだろう。目の前の賞金稼ぎは、男。つまりは。 「…いてぇんだよなぁ、ヒゲがさぁ」 何だか、哀れみの目で見てしまう。 「意外に、固いんだよヒゲ…。あれでずりずりやられっとさぁ…頬がいてぇ」 髭、ヒゲ、ひげ。 口を開いて不満をこぼすのは、とにもかくにも、髭のみ。 嫌なのは、髭だけ何ですかねこの人。 本人がいいなら、いいんだろうか。 いやまあ、いいんだろう。 酔っ払いは、愚痴を呟く様にしては、にやけた顔をしているから。 「キッドのあほー…ひげー、ひーげー」 酔っ払いうるさい。 マスターはのんびりと思った。 |