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ストオルスト(LAL)


ストオルスト




滑った。
綺麗に滑った。


ストレイボウの目の前で、とても綺麗に雪で足を滑らせて、オルステッドはド派手に崖から転げ落ちた。
受身を取る、頭を守るなどという初歩的な事すら出来ない勢いの、それはもう剣士にあるまじき転びっぷりだった。



「……オルステッドッ!!」



中途半端に上げてしまった行き場のない右手をすぐさま下ろし、ストレイボウは慎重に崖を降り始める。


ここから見える、白い雪に埋もれた金色の髪は動かない。

もしこれで打ち所が悪く、そのままポックリ逝かれでもしたらもう悔しいどころの話じゃない。坂道を降りながらストレイボウは腹立たしく思った。


ようやく崖を降りて、慌ててオルステッドに駆け寄れば、もそりと彼は起き上がった。
雪にまみれた頭を子供の様に振るオルステッドに、とりあえずは元気そうだとほっとしつつ声をかける。


「大丈夫か?オルステッド」
「ぅ、わぁぁ…?」



まだ落ちたショックが抜けないのか、単語になっていない言葉を呟くオルステッドの体をざっと見る。
雪が衝撃を吸収したのだろう。酷い外傷はなさそうだ。


オルステッドは数回ぱちぱちと瞬きをし、そこでやっと落ち着いたのか、ストレイボウの方をじっと見つめる。


「ん…えぇ、と」
「…おい、オルステッド?」


常ならば、ごめんごめん!やら滑っちゃったよ…やらの言葉を照れながら言うというのに、何故かオルステッドは言い淀む。
その事にストレイボウは動揺しながら、オルステッドどうしたんだ?と再度声をかけた。
それを受けて、オルステッドは躊躇いがちに言葉を返す。


「…あの、…オルステッドって…誰、ですか?」
「………………………」


そう、困惑気味に訊ねてきたオルステッドに、ストレイボウは、





→[今までの経緯を全て話し、姫を助けに行く途中だと説明した]
[自分にとって都合のいい嘘を植え付けてしまった]
[…おや…何やら意識が遠退い……]








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