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それは正光の一言でいきなり始まった。



「なあ、お前ら付き合わねえの?」


「『え?』」


「いや、えってなんだよ。だってお前らいっっっっっっっっつも一緒にいるし、早くくっついてくれねえと諦めた俺が報われねえよ。」



泣き真似をする正光を、おーまさみっちゃん可哀想にーと言いながら慰める理。

付き合う…か。私と蓮はいつも一緒。それ以上でも、それ以下でもなかった。

でも、正光の一言でそれは簡単に壊されて、無理やりにでも目を向けされられる。

すぐに答えられるようなことじゃなくて、困った様にちらっと蓮の方を見ると、蓮も困った様にこっちを見ていた。


付き合うとか付き合わないとか、好きとか好きじゃないとか言われたら、そりゃあ意識しない訳なくて、急に顔が熱くなる。
どうやら蓮も、真っ赤らしい。



「あらまー、2人して真っ赤になっちゃってー」



こうやって意識するとこんなかっこいい顔してたのかとか、思い始めたら止まらなくて、



こんな形で、私の好きはスタートしてた。




(好きかもしれない、そんな風に思い始めたら)


(止まる気なんてしない)


END



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