,
・
それは正光の一言でいきなり始まった。
「なあ、お前ら付き合わねえの?」
「『え?』」
「いや、えってなんだよ。だってお前らいっっっっっっっっつも一緒にいるし、早くくっついてくれねえと諦めた俺が報われねえよ。」
泣き真似をする正光を、おーまさみっちゃん可哀想にーと言いながら慰める理。
付き合う…か。私と蓮はいつも一緒。それ以上でも、それ以下でもなかった。
でも、正光の一言でそれは簡単に壊されて、無理やりにでも目を向けされられる。
すぐに答えられるようなことじゃなくて、困った様にちらっと蓮の方を見ると、蓮も困った様にこっちを見ていた。
付き合うとか付き合わないとか、好きとか好きじゃないとか言われたら、そりゃあ意識しない訳なくて、急に顔が熱くなる。
どうやら蓮も、真っ赤らしい。
「あらまー、2人して真っ赤になっちゃってー」
こうやって意識するとこんなかっこいい顔してたのかとか、思い始めたら止まらなくて、
こんな形で、私の好きはスタートしてた。
(好きかもしれない、そんな風に思い始めたら)
(止まる気なんてしない)
END
- 10 -
[*前] | [次#]
ページ:
,