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本当にホテルに引っ張り込まれそうになって、喧嘩したあげく、結局社長のマンションに連れてこられた。

「何考えてんですか。私が未成年だってわかってます?」

「バーに入るときは黙ってついてきたじゃねぇか」

「それとこれとは違うでしょう。欲求不満なら風俗行けって言ったじゃないですか」

無理やり連れて帰られた私は怒りが収まらず、ぎろりと社長を睨む。
それでも彼はいつものように面倒臭そうな顔をして、ソファーに腰を下ろした。

「怒ってないで座れよ。近所迷惑」

本当に腹が立つ。
なだめるようにぽんぽんと隣を叩かれて、私は怒りながらも言うとおりにした。
なんなんだこの態度は。
まるで私が駄々をこねているみたいに。

さらに文句を言おうと、隣に顔を向けようとしたとき、ふいに視界が反転した。
体がベッドに沈む。
驚いて見開いた目の前には、社長の顔。
押し倒されたこの状況に既視感を覚えつつ、あのときは感じなかった鼓動の速さに戸惑い、色のない社長の瞳にぞくりとした。

「……社長、私は億単位だって言いましたよね」

「俺の見たところ、高く見積もって二、三万だな」

「あのペンギンはそんなにしなかったでしょう」

「今日、総額でいくら使ったと思ってんだよ」

私は努めて冷静に振る舞うが、社長は努めなくても冷静だった。
目が笑っていない。
知らない人のように冷たくて、怖い。
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