12



定期テストが終わった。
結果はまぁまぁだったが、みんな勉強していただけあって、順位は少し下がった。
だが、別に成績に影響はない。
なのに、またも吉田につかまっているのはどういうことだろう。

「日焼けしたなー小谷。夏休みはどこか行ってきたの?」

「ちょっと」

「ちょっと?」

「沖縄まで……」

私の返事に、吉田は大袈裟に沖縄!と机を叩いた。

「いいなぁ、先生はどこにも行けなかったぞ。お土産は?」

「ありません」

「だよねー……」

にべもない私の答えに、吉田は苦笑いしてこめかみを掻く。

「で、誰と行ってきたの?」

「……社長と」

「社長?バイト先の?」

はい、と私は小さく答える。
プライベートには触れないでほしい。
別に聞かれてまずいことはないが、社長と二人でなんて知られれば、他人から見ると怪しい。

「いい社長さんだねー!バイトまで旅行に連れてってくれるの!」

まぁ、吉田なんてこんなもんだが。
|

×
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -