厳格な祖父は、父のことを家の汚点だと思っている。
私も反論はしない。
だから、父と母が私を捨てた時、彼が私を引き取ると言ってくれたことには驚いた。
てっきり嫌われていると思ったからだ。

たぶん、最初のほうはよく思われていなかったはずだ。
だが、彼らの印象に反して私は常識のある子供だった。
身分はわきまえて、できるだけ迷惑を掛けないように大人しくしていた。

子供らしからぬ態度に同情してくれたのか、控えめな振る舞いが祖父の気に入ったのか、祖父母は次第に愛情を傾けてくれるようになった。
でも、それは、なんといっても私が父母を憎んでいるという理由が大きかったのだと思う。

私は彼らを親として、人として、憎んでいる。
祖父以上にだ。

息子がその娘に憎まれているという状況に、祖父母は少なからず心を動かされたのだろう。
彼らは私に対して遠慮があったし、私も少し罪悪感があった。
祖父母に対する感謝はあれど、憎しみはない。
こんな孫でごめんなさい、と純粋に思う。

私は早く自立がしたい。
立派にはなれなくても、彼らの恥にはなりたくない。

私は両親とは違うのだ。

それだけははっきりさせたいと、ずっと思っている。
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