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が、そんなことでへこたれる私ではない。
しつこく社長に頼んでいると、結局うっとうしそうにしながらも付き合ってくれることになった。

パソコンは事務所で使っているのがある。
本は図書館で借りてきた。
暇さえあれば社長をつかまえて勉強し、学校では授業中も休み時間もせっせと本を読みあさる。

社長は、そんな私を物珍しそうに眺めていた。
就寝時間を遅らせてパソコンと格闘している私を見て、面白そうに呟く。

「金のことになると必死だな」

私はちらりと目を上げて、それから再び画面に戻る。

「高校生がこんなもんに情熱傾けてるなんて、寂しすぎる」

「あなたに言われたくないんですが」

私は睨むと、社長はほんの少し笑って俺のは趣味だ、と言う。

「成績は大丈夫だったのか」

一瞬問われたことの意味がわからず、私は目を瞬かせる。

「英二が心配してたんだよ。学校には行かせろって」

言い訳するように社長が言った言葉に、そういえばマスターがそんなことを言っていたな、と思い出す。
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