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「思った通り、仲良くやってるみたいで安心したよ。君たち二人ともお金が大好きだから、気が合うと思ったんだ」

ソファーに座るマスターと社長にコーヒーを出す。
マスターの言葉に、私と社長はぴくりと顔をひきつらせる。
そのタイミングが同じだったため、マスターはさらに楽しそうに笑った。

長髪をひとつにくくり、髭を生やした渋いおじさんは、今日も相変わらず怪しい。
煙草を挟んだ骨張った指も、ゆるく組まれた長い足も、大人の色気を孕んでいて、それがまた胡散臭い。

こんな人が、社長のような女っ気のないひきこもりと馬が合うのか。

前々から思っていたが、どうやら仲がいいらしい。
和やかに話し始めた二人を見て、私はその珍しい光景に見入った。

社長が楽しそうに話している。
滅多に他人に笑顔を見せないあの社長が。
よっぽどマスターに懐いているらしい。

そんな私の視線に気づき、社長が眉を顰める。
私は目を逸らし、何も言ってませんよ、という顔をする。

それを見てマスターはくすりと笑い、自分の隣をぽんぽんと叩いた。
私は社長の目から逃げるように、示された場所にすとんと腰を下ろす。
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