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いつまでもうじうじしていられない。
これまでの人生経験から立ち直りの早い私は、翌日から仕事を探そうと決めた。

学校で求人誌を読みながら、眉間に皺を刻む。
どうせならパソコンをかっぱらってくればよかった。
ネットでやっていたあれこれの処理はできるだけして、残りは社長に押し付けて出てきたが、別にパソコンのひとつやふたつもらってもよかったんじゃないだろうか。
というか、いきなり一人になって、社長は仕事に追われているんじゃないだろうか。

今更ながら、自分の短絡的な行動を反省する。
私もまだまだ子供だ。
責任は果たすべきだったのに。

ちゃんと食事はしているかなぁと心配になる。
放っておくと、ろくに寝ないし食べないんだから。
いや、もう私の気にすることじゃない。
もう無関係なんだから。

社長のことを考えてはやめ、両親のことを考えてはやめ、なんてことを繰り返しているうちに一日が終わった。
今の時期、受験組と就職組、進路未定組と決定組でクラスは異様な雰囲気だ。
私も未定組に戻ってしまったし、それどころか今日眠る家もない。

祖父母にはしばらく泊めてほしいとは言ってあるが、あまり長くはいられない。
仕事をクビになったことは言いたくない。
両親のことがあったばかりで、これ以上心配かけたくない。
バイトで寮完備なんてないに等しいし。
早く自由登校になってしまえばいいのに。

八つ当たり気味に日々恨みを込めて、私はHRを長引かせている教壇の吉田を睨みつけた。
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