祖母が入れてくれたお茶を飲んで、ふうっと息をついた。
昔、捨てられた頃に、強く強く願っていたことが叶ってしまって、私の中から大きなものがぽかんと抜け落ちてしまった気がする。
それは願っていた形で、同時に予想していた通りの形で叶ってしまって、そして、私は考えていた通りの行動をしてしまった。

「リョウ」

祖母に呼ばれて、顔を上げる。

「これで良かったの?」

尋ねられて、心臓が跳ねる。

「……何が?」

「本当はお父さんとお母さんと暮らしたかったんじゃないの?私たちに遠慮したんじゃないの?」

祖母が悲しげな顔で眉を下げる。
祖父は湯呑を手にむっつりと俯いている。

私は少し迷った。
ここで、そんなことはないというのは簡単だ。
実際遠慮なんてしていない。
だけど、結局きれいごとなのだ。
私の感情も、行動も。

ずっと思っていた、一緒に暮らしたいと。
ずっと願っていた、迎えに来てほしいと。

だけど、私の親は子供を思う人間じゃないのだ。
それが本当になったから彼らを拒否できたわけで、それは私の望みじゃない。
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