「一緒に暮らす気はありません。もうあなたたちを親だとは思えません」

緊迫する空気を断ち切るように、私はきっぱりと言い放った。

「出て行ってください。これ以上、おじいちゃんとおばあちゃんに迷惑を掛けないでいただけますか」

努めて冷静に、付け込む隙を与えないように告げる。

父母は予想外だというように、ぽかんという顔をした。
祖父母はもっと驚いた顔をした。

「……今までのことは、本当に悪いと思ってる。許してほしい。今からやり直すことは、無理なのか?」

遠慮がちに、場を取り繕うように、父が少し笑ってなだめるような口調で言った。
阿呆かと思う。
私はもう小さい子供じゃないのに。

「無理。別に私と暮らしたいわけじゃなくて、住む場所が欲しいだけでしょう。じゃなきゃ、今更ここに現れるはずがないじゃない。まだ二人に頼ろうと思ってるの」

「そ、そんなわけ……」

「そんなわけあるでしょ。私をだしにしないで」

反論の余地を残さず、強い口調で父の言葉を遮る。
反射的にか、隠す気をなくしたのか、父はさっと不機嫌な色を浮かべて私を睨んだ。ほら、こういう人だ。
図星だから怒るのだ。
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