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久しぶりのその二人の姿を見て、ああ、こんな顔だったな、と思った。
「リョウ」
母親だった人が私の名を呼んで、目に涙を浮かべる。
父親だった人が私を見て、何も言わずに眉を下げた。
私は祖父母を見る。
祖父はむっつりと腕を組んで座っており、祖母が困ったように私を座るように促す。
「大きくなったね、リョウ」
それでもぼうっと突っ立っている私を見て、母が目頭を押さえた。
何を言っているんだこの女は。
私は口も開けず、ぼんやりと両親の姿を見る。
昔ほどちゃらちゃらしてはいないが、態度や姿勢、明るい色の髪、清潔感のない格好は見るに堪えない。
父は喫煙できないからか落ち着きがなく、母の感傷的な顔は派手な化粧で彩られている。
相変わらずだらしない。
この人たちと同じ血が流れているのかと思うと発狂しそうになる。
「座りなさい、凌」
おじいちゃんが私を見る。
「……会わないって、言ったはずだけど」
私はぼそりと呟く。
一瞬、父母が眉間に皺を寄せる。
祖父が苦い顔をして、祖母がぎょっとしたように目を見開いた。
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