久しぶりのブラッディマリーはお酒の味がした。
血の味とは程遠い。
もうこれからは代替物にはならないな、と思ってしまう。

なぜか漫画を読む気にもゲームをする気にもならず、電源を入れられずにぼんやりパソコンの前に座っていた。
両親と話をし、食事と風呂を終えて、この部屋での生活を思い出そうとする。

根本的な意識が変わってしまったせいで、これからどうするべきかがわからない。
これまでと同じようにすべきなのか、何か変化を求めなければいけないのか。

答えが出せずだらだらとアルコールを摂取していると、ノックの音がした。
部屋に入ってきたのは帰ったはずの旭で、ずかずかと近づいてきて手元のグラスを取り上げる。

「血、足りなかったのかよ」

「お酒ですよ。飲みますか?」

「はあ?」

赤い液体を見て眉間に皺を寄せ、首を横に振る。

「トマト嫌いだって知ってるだろ」

そういえばそうだった。

本当に性格も好みも合わない奴だなと溜息をつく。
旭はグラスをデスクに置き、私の腕を掴んでベッドのほうへ引っ張り出した。
抵抗しようとしたが、椅子から立った瞬間頭がぐらりとする。
どうやら私は酔っているらしい。
トマトを嫌いだと言った旭が、キスをして苦い顔をした。

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