乱暴に部屋のベッドに放り出されて、私は壁に頭を打つ。
引っ張られてじんじんと痛む腕を持ち上げて、私はぶつけた後頭部を擦った。

「なにすんの!」

涙目になって、睨もうとした視界が翳る。
壁に手をついた旭に正面を塞がれて、逃げ場を失ったことに気づき血の気が引いた。

「行くなって言っただろ」

ただただ静かな、怒りに満ちた声が降ってくる。

「他の男と会うなって言っただろうが。どういうつもりだよ」

呆気なく決意が揺らいで、自分の行動を後悔する。
私は返事ができずに、ぎゅっとシーツを握り締めた。

怖い。
ここまで怒らせたのは初めてだ。
冷えた声に何も返せなくなる。
こんな展開は予想していなかった。

美夜、と旭が名を呼んで、私の頬に手を添える。
びくりと体が震える。

「おまえ、力ずくじゃないとわからないんだな」

そう言われて、意味を量りかねる。
次の瞬間、視界が反転して、旭の体が覆いかぶさってきた。

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