旭の鋭い視線が、私の嘘を見抜く。

「嘘つくな」

「嘘じゃない」

私は壁に追い込まれて、枕を掴んで投げつける。

「くだらないこと聞いてないで、さっさと彼女のところに戻れば。私にも迷惑なの。誤解される」

「あれは彼女じゃねぇよ。おまえにも彼氏はいない」

「か、れしだって言ってるでしょ」

「違う」

旭がきっぱり否定する。
すべて、何もかも理解している口調で。

「……違わない」

私は言い張る。
呆れたように息を吐いて、旭はわずかに態度を軟化させた。

「……泣くな」

言われて、自分が泣きそうだったことに気づく。
慌てて俯き、手で顔を隠した。
本当に馬鹿だ、私。
これじゃあ全部認めてるようなもの。

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