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直球で言われて、私は苦笑を漏らす。
確かに、自分でも馬鹿かなぁとは思う。
けど。
「身を引くも何も、別に付き合ってるわけじゃなかったしね」
「あとは君の返事だけだったでしょ」
「……どっちにしろ、私には返事をする勇気なんてなかったよ」
なだめるように私が言うと、佐伯くんは不満そうに私を睨んだ。
「お人好し」
「佐伯くんに言われたくないんですが」
「俺、お人好しなんかじゃないよ」
「佐伯くんが一番だよ」
断言して佐伯くんの目を見ると、彼は手すりに肘をついて鼻で笑った。
「結局、こうなって一番喜んでるのは俺だと思うよ」
そう言って、じっと私を見る。
「邪魔者もいなくなったことだし、これで心置きなく攻められる」
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