ふと、窓の外に目をやった。
飛び込んできた光景に視線が留まる。

……あれは。

じっとそこを見つめている私に気づいて、好人くんもそちらに目を向けた。

ひとつの傘を差している、花音と佐伯くんの姿。

胸がざわつく。
花音のものだろう、佐伯くんの手に握られた赤い傘が、灰色の景色に鮮やかに映る。

「なんであの二人が……」

その声に視線を戻すと、好人くんはあからさまに眉を寄せていた。

本当に、なんであの二人が。

私は再び窓の外を見る。
あの二人が並ぶと、美男美女ですごくお似合いだ。
ざわざわと心が揺れる。
ぎゅっと眉を歪めた。

嫌だ、こんなの見たくない。

私は顔を背けようとする。
しかし、花音と佐伯くんが動き、こちらへ向かってやってきた。

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テーマ「人外ファンタジー」
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