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「座っていい?」
と言いながら、すでにトレーも鞄も置いている。
「どうぞ」
雨の中放り出すわけにもいかないので、私は大人しく席を譲った。
「花音と順調そうだね」
席に座って開口一番、嫌味たっぷりに言われる。
私は一瞬言葉に詰まる。
が、何事もないように答える。
「順調も何も、付き合ってませんから」
以前ならさらりと流せたのだろうが、今はそうもいかない。
気まずさに、首で揺れるリボンのネックレスをいじる。
やましい感情が胸でくすぶる。
「思わせぶりな態度取るの、やめてくれる?いい加減はっきりしろよ」
私を睨み、好人くんはバニラアイスを口に運ぶ。
相変わらず、私に敵意むき出し。
花音に負けず劣らずわかりやすい。
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