構内のカフェでケーキセットを食べながら、私はぼんやりと外を眺めていた。
今日は雨だ。
カフェも混雑している。

「天気予報見とくんだった」

朝は晴れていたのだ。
おかげで傘を持ってきていない。

「帰れない……」

カフェの隅、窓際の席。
窓にもたれかかるように倒れて、深い溜息をつく。

なんでこんなところでケーキなんか食べてるんだ、私。
一番学校にいたくないときに。

賑わっているカフェの中を見回すと、完全に席は埋まっている。
相席も多い。
席がなくて、うろうろしている人たちもいる。

かわいそうに、と思っていると、そのうちの一人と目が合った。
お互い、げっ、という顔になる。
が、その苦い表情のまま、彼はこちらにやってきた。
好人くんだ。

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