2
構内のカフェでケーキセットを食べながら、私はぼんやりと外を眺めていた。
今日は雨だ。
カフェも混雑している。
「天気予報見とくんだった」
朝は晴れていたのだ。
おかげで傘を持ってきていない。
「帰れない……」
カフェの隅、窓際の席。
窓にもたれかかるように倒れて、深い溜息をつく。
なんでこんなところでケーキなんか食べてるんだ、私。
一番学校にいたくないときに。
賑わっているカフェの中を見回すと、完全に席は埋まっている。
相席も多い。
席がなくて、うろうろしている人たちもいる。
かわいそうに、と思っていると、そのうちの一人と目が合った。
お互い、げっ、という顔になる。
が、その苦い表情のまま、彼はこちらにやってきた。
好人くんだ。
← | →