どうしてこんなに無邪気なんだろう、この子。

隣でノートを取っている花音をちらりと見て、私は不思議に思う。

なんでこんなに堂々と好意を示してくることができるんだろう。
しかも同性の私に。
同性だから、躊躇いなくおそろいなんて言えるんだろうか。
でも、好きな人相手だったら。

私にはできないな、と内心首をひねる。
所詮、性格の違いか。
花音と私じゃ性格が正反対。
理解しようとしてもできないのかもしれない。

無意識に、鎖骨のあたりに掛かるネックレスに触れた。
花音との温度差を感じる。
温度差というかテンションの差というか。

彼女はいつも明るくて、私の前ではいつも楽しそうだ。
隠してるだけかもしれないけれど、私の前で表情を崩すことはない。
そうなるのは佐伯くんといるとき、それから、好人くんといるとき。
好人くんに関しては、表情がころころ変わる。

やっぱり付き合いの長さの違いかなぁ、と思う。
私だって、花音には本音なんてほとんど言えてない。
友達感覚が強いのだろうか。
その場で楽しく話して、それ以上になれない。
踏み込むのが怖いのだろうか。

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テーマ「人外ファンタジー」
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