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まずいな、と思う。
これはちょっと本気でまずい。
教室の入り口で、花音と好人くんが話している。
そちらが気になって仕方ない。
なんで二人が一緒にいるんだ。
一体何をしゃべってるんだ。
なんて、意識しまくりで情けない。
ちょっと前までは、二人が一緒にいようと全く気にしなかったのに。
むしろ、さっさとヨリでも戻したらいいのに、とさえ思っていたのに。
「潤ちゃん」
チャイムが鳴り、席に戻りながら花音がこちらに手を振ってくる。
私もぎこちなく笑って手を振り返す。
相変わらず花音は目立つグループにいて、男女とも仲良く楽しそうにしている。
最初の頃は、花音みたいな子と仲良くなったのを不思議そうに見ていた友達も、それが日常となった今は何も言わない。
むしろ、私のほうが彼女との距離を感じるようになっている。
二年になって三ヶ月。
梅雨の季節。
私の心も、じとじとと湿っている。
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