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「……正直、花音のことが好きかどうかって言われたら、まだわからない」
一度息を吐き、覚悟を決めて話し始める。
「今付き合えるかどうかって聞かれたら、付き合えないって言う」
きっぱりと告げると、花音の眉が歪む。
「でも、はっきり好きじゃないとは言えない。って言っても、恋愛感情かどうか聞かれたらわからない。友情かもしれないし、同情、はないと思うけど、そういう感情かもしれない。同性ってことを気にしてない言ったら、それも嘘になる」
迷ったが、そこまで付け加える。
花音はちゃんと自分の気持ちを伝えてくれたのだから、私だってそれに答えなきゃいけない。
例え彼女を傷つけることになっても。
これからの彼女のためにも。
「もし花音が今の状態が嫌だっていうなら、もう離れたほうがいい。私がはっきり返事をできるのはまだ先のことになると思うし、必ずしもいい返事ができるとは言えない。だから、ここでどうするかは花音に決めてほしい」
迷子のような表情で、花音が小さく頷く。
ここで、じゃあ離れると言われたら、私はきっとショックを受ける。
それでも、私の感情で花音を振り回したくない。
この一週間考えて考えて、花音にしようと思っていた話だ。
今更何を思っても遅い、と私はほんの少しの後悔を呑み込んだ。
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