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ストレスで大量のお菓子を買って戻ると、そこには予想もしない光景が待っていた。
「おまえ誰だよ。花音とどういう関係?」
彼の存在を忘れていた。
花音の元彼、好人くん。
「この人誰?花音チャン」
「気安く名前呼ばないでよっ」
「おい花音、こいつ誰なんだよ」
まさに地獄絵図。
あの中に戻れというのか、私に。
そのまま帰ろうかなと立ち尽くしていると、運悪く花音がこちらに気づいて駆け寄ってきた。
「もうやだ潤ちゃん!この人たちどうにかして!」
それはこっちの台詞だ。
勢いよく抱きつかれて、私は後ろへよろめく。
「ちょっと花音ちゃん、俺の潤に抱きつかないでくれる?」
「誰があんたの!」
「俺の?」
悠々と足を組んだまま、佐伯くんが声をかけてくる。
すぐに二人が口を開く。
またか、と私は辟易した。
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