「よく話は聞いてるよ、花音ちゃん。潤が仲良くしてもらってるみたいだね」

佐伯くんは友好的に言って、ぽんと私の頭に手をのせる。

え、私、あなたとそんなに仲良かったですか?

そう思ったものの、男慣れしてない私の頬がぱっと染まる。
それを見て、花音の顔がさらに不機嫌そうに歪んだ。

「友達じゃなかったの、潤ちゃん」

矛先がこっちに向かってきたので、私はぶんぶんと顔を横に振る。

「へっ?や、友達だよただの!」

「友達なの?ただの」

「と、もだちでしょっ」

佐伯くんに顔を覗き込まれて、私は思わず身を引く。
花音がテーブルに手を突いて立ち上がる。
佐伯君が彼女を見てにやりと笑う。

なんなんだこの状況。
どうしちゃったの二人とも。
まるで私の取り合いみたいじゃない。
王子様とお姫様に囲まれてるみたいだわ。

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テーマ「人外ファンタジー」
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