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プリンを食べ終えて、部屋に戻りベッドにもぐりこんでいると、しばらくして旭が入ってきた。
ベッドに座って、布団の上からぼすんと私を叩く。
「なに拗ねてんだよ」
「どうせひきこもりだもん」
「別に俺は何も言ってねーだろ」
「デートもまともにできないもん」
気にしていたことを指摘されただけに、いつもは何を言われても聞き流している私でもぐさりときた。
母はアクティブな人なので、私なんか比較にならないくらい太陽がだめなくせに、日中も外に出たがっていつも父を困らせている。
だから、一応は日光も受け付けられる私には普通の生活をさせたいのだ。
普通のカップルとして過ごさせたいのだ。
私のためにも、旭のためにも。
「今のままで十分だろ」
旭の手がなだめるように頭を撫でる。
子供扱いされてるようで腹立たしい。
「私だってやればできますし」
「いいよ、やんなくて」
「どうして」
「ぶっ倒れるほうが困る」
顔を上げて睨んだが、冷静にそう返されて、私はぼすんと枕に顔を埋めた。
旭が苦笑して、ぽんぽんと頭をたたく。
母の言う通り。
こいつがこんなふうに私を甘やかすから悪いんだ。
こうしてだめな私がますますだめになっていく。
「やってやる……」
「え?」
ぼそりと呟いた言葉は旭には届かなかったようだ。
ひっそり決意して、私は外に出る計画を練り始めたのだった。
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