それから、堀くんは階段ではなく私の隣りに座るようになった。
最初は雨が降っていたからだったのだろうが、紫陽花が色褪せ、中庭の向日葵が大輪を咲かせるようになっても、彼は私の隣りに座っていた。

相変わらず会話はない。
ただ隣りに座って、私はお弁当を食べ、本を読み、堀くんは煙草を吸っていた。

それ以外は校舎で見かけても、お互い近づくこともなかった。
堀くんはいつもみんなの中にいて、私はいつもひとりぼっちだった。

そんな中、夏休みがやってきた。

受験生の私たちは、夏休みも夏期講習で学校に来なければならなかった。
でもそれは午前中だけしかなかったので、私は一ヶ月以上あの場所に行かず、堀くんとも会わなかった。

彼はたぶん学校にも来ていなかった。
もしかしたら就職希望なのかもしれない。

蝉の声と先生の声を聞いているうちに夏休みは終わってしまい、学校から離れて本当の休息を取れたのはお盆のあった十日間程度だった。
講習が再開されて、二学期を迎え、またお弁当を持って校舎裏に向かう日々が始まった。

堀くんも同じようにやってきた。
昨日も会ったような雰囲気で、けだるそうに腰を下ろして煙草を吸い始めた。
|

戻る
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -