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卒業式は、何の感慨も浮かばなかった。
式さえ早く終わってしまえと思っていた。
式の前、担任の話を聞いてみんなは涙ぐんでいた。
式のときは、歌や答辞になるとあちこちから泣き声が聞こえてきた。
思い出なんてほとんどない。
どうやって休み時間をつぶそうかとか、グループを組むときどうしようかとか、そんなことばっかり考えていた気がする。
一年しか着ていない制服にも、それ以上に親しめなかったクラスメイトたちにも、思い入れなんて何もない。
転校する前の学校でも、私が思い出されることなんてないだろう。
だけど、後悔することはいっぱいあった。
私はもっと努力をするべきだったと思う。
外見を変える努力、中身を変える努力、そんなものから逃げてばかりいた。
学校に向いていない。
集団行動に向いていない。
そんなことばかり考えて努力をしようとしなかった。
みんな、最初は受け入れようとしてくれていたのだ。
いじめられたわけでもなかった。
私が壁を作っていただけ。
一緒にお弁当食べていい?
そんな一言を発することができなかっただけ。
できないまま、卒業を迎えてしまった。
今更後悔したってもう遅い。
だから、これを機にこんな自分からも卒業したい。
ううん、卒業する。
大学に行って、今度はもっと、学校を楽しめる努力をするんだ。
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