「付き合ってる人が美男美女だと、卑屈になんない?」

「それ、なんで俺に言うわけ」

向かいにいた好人くんが、不機嫌そうに私を睨む。

「いや、好人くんも格好いいけど、花音めちゃめちゃ可愛いから」

「てめーまじで花音に近づくなよ。ぶっとばすぞ」

今日も好人くんは絶好調だ。

ここしばらくなぜか四人でいる機会が多くなって、今日は学食にお昼に来ている。
昼の学食は混んでおり、佐伯くんと花音は並んでいて、手軽にうどんとラーメンの私と好人くんはさっさと席に着いている。

「ほら、見てくださいよあの二人。超お似合い」

「ふざけんな。自分の彼氏と他の女をお似合いって、頭おかしいんじゃねーの」

「とか言って、怪しいとか思ってんじゃないの」

「お、もってねーよ」

「何その間」

すかさずつっこむと、またもぎろりと睨まれる。

冗談抜きに、あの二人はお似合いだ。
美男美女だしお洒落だし、性格のほうも、なんだかんだ佐伯くんが花音をうまく扱っていて合っていると思う。

真面目な顔でそう言うと、好人くんが不機嫌を超えて怪訝そうな表情になった。

「あんた、ちょっと卑屈すぎじゃねーの。ふつう他の女と一緒にいることなんて考えないって」

あの好人くんに本気で心配されて、複雑な気持ちになって口をつぐむ。

好人くんはポジティブだからそんなふうには思わない、と考えていたが、私がネガティブなだけだろうか。

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