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キャンパスの桜の木の下、花音が仁王立ちで佐伯くんを見下ろす。

「あんたなんで潤ちゃん泣かせてんの?」

「いや、私泣いてないよね」

「部外者が立ち入らないでくれるかな。彼氏に遊んでもらってたら?」

「花音、そいつらほっといて飯食えよ」

好人くんが買ってきたお菓子を芝に広げ、地面を叩いて花音を座らせる。

仲がいいのか悪いのか。
佐伯くんとの関係には少し落ち着きが出たけれど、私たちは相変わらずだ。

「ねぇ潤ちゃん、今日またあのカフェ行かない?花音すっごい気に入った」

「だめー。今日は潤ちゃんは俺とデートですー」

「ていうか花音、今日うち来るって言ったじゃん」

「四人で遊ぶ?」

「えぇえ」

嫌そうに口をそろえた三人を見て、仲良しだなぁと微笑む。

最近、佐伯くんとは地元でもふつうに会うようになった。
知り合いに会うこともあるけど、以前のように卑屈になったりしない。
恥ずかしい思いをさせないように、私が頑張ればいいだけだ。
まぁ、限界があるのはわかっているが。

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